星河の覇皇
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第八十三部第三章 今だ目覚めずその三十
「オムダーマンにとってな」
「まさにですね」
「そうしたものであり」
そしてというのだ。
「これをだ」
「活かしていますね」
「そうして戦っている」
こう言うのだった。
「今もな」
「そういうことですね」
「このままだ」
こうも言うのだった。
「ティムールとの戦争にだ」
「勝ちますね」
「そうだ、そしてだ」
「統一ですね」
「それを手に入れる、とはいってもな」
「統一は、ですね」
「ゴールではない」
このことも話すのだった。
「やはりな」
「左様ですね」
「物語と現実は違う」
「物語では」
どうかとだ、ハラスが述べた。見ればこの軍議では参謀達だけでなく軍司令達も集まり紅茶やコーヒーを飲みつつ話をしている。
「統一すれば」
「それでだな」
「ハッピーエンドですが」
「そうだな、しかしだ」
「現実はどうか」
「そこから先がある」
物語と違ってとだ、アッディーンはハラスにも答えた。
「統一し国家を建国したならば」
「その国歌をどう動かしていくか」
「その話になる」
「左様ですね」
「その中の一歩がだ」
まさにというのだ。
「この度のな」
「ティムールとの戦争ですね」
「その戦争においてだ」
「シャイターン主席の不在は」
「決定的な要素になっている」
こう言うのだった。
「今の時点であってもな」
「今の時点であっても」
「そうなっている、しかし」
今の時点でもというのだ。
「シャイターン主席が不在の間に」
「戦争の趨勢をですね」
「決める」
そうするというのだ。
「私はな」
「では次の戦争では」
「前からな」
敵のというのだ。
「向かうが」
「あの艦艇を」
「無論使う」
アッディーンはハラスに自身の考えを話した。
「主力艦艇は正面から向かうが」
「それは囮でもあり」
「陽動だ」
あえて敵軍つまりティムール軍に見せる軍だというのだ。
「あくまでな」
「後で攻撃を行うにしても」
「まずはな」
「あの艦艇ですね」
「国境での戦いと同じだ」
そうだというのだ。
「秘かにな」
「敵の後方や側面に回り込み」
「そうしてな」
「攻撃を行う」
「そうするが」
ここでだ、アッディーンはこうも言った。
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