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第六十七話 阪神の勝利を聞いてその一

                第六十七話  阪神の勝利を聞いて
 富美子は部活の時間が終わってホテルに戻ってだった。
 部活仲間達と共に風呂に入ってだった。
 夕食の場に行く時にその話を聞いて笑顔になった。
「今日もやったわね」
「阪神勝ったわね」
「よかったわね」
「それも巨人に三十点差」
「完封でね」
「阪神が強くてね」
 富美子は満面の笑みで話した。
「逆に巨人はね」
「弱過ぎよね」
「本当にカスよね」
「ザ=カスチームよね」
「文字通りに」
「弱過ぎてね」
 富美子は巨人のことをさらに話した。
「ざま見ろって思うわね」
「そうそう」
「巨人にはね」
「素直にそう思うわよね」
「負けて嬉しい」
「ざま見ろってね」
「何かね」
 富美子はさらに言った。
「巨人弱いと世の中いいわね」
「あっ、確かに」
「そういえばそうね」
「巨人が弱いとね」
「何か景気いいわね」
「それでいいこともよく起こるわね」
「多分ね」
 富美子は考える顔で話した。
「巨人って悪いチームだから」
「その悪いチームが負けるとなのね」
「いいことが起こるのね」
「景気もよくなるのね」
「皆巨人が負けるのを見て」
 それでというのだ。
「元気が出るしね」
「ざま見ろって思って」
「それでよね」
「頑張れるわね」
「そうも出来るわね」
「それでね」 
 そのうえでというのだ。
「お仕事にもお勉強にも活力出て」
「皆そうなるとね」
「確かに景気もよくなるわね」
「皆お仕事頑張ったらね」
「そうなるわ」
「そうよね、それで巨人が負けたら」
 この世の邪悪を集めたこのチームがというのだ。
「この世の悪い瘴気もね」
「その分弱まる?」
「巨人が瘴気を発しているから」
「それが弱まって」
「そうじゃないの?だから巨人が弱いと」 
 そうであるならというのだ。
「日本も世界もね」
「よくなるのね」
「じゃあ巨人はこのままね」
「最下位であって欲しいわね」
「毎年百敗ぶっちぎりのね」
「一シーズン二十勝いくかどうか位であり続けて欲しいわね」
「いやあ、巨人弱いのっていいわ」
 富美子は満面の笑みで言い切った。
「それだけでご飯美味しいしね」
「そうなのよね」
「巨人負けてるとやっぱり嬉しいからね」
「ご飯も美味しいわ」
「それだけでね」
「あれよ、弱い巨人恰好悪い巨人」 
 富美子は言っていった。 
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