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神々の塔

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第六話 宿屋と道具屋その九

「ここまで来られる方が稀なので」
「大抵一階のやな」
「四霊獣の方々に敗れ」 
 そうなってというのだ。
「そこで、です」
「諦めてやな」
「そうしてです」
 そのうえでというのだ。
「去られるので」
「ここまでか」
「来られる方はです」
「滅多におらんか」
「この世界がはじまってから存在している塔ですが」
「人が出て来る以前からか」
「いえ、人が出て来てです」
 そうしてというのだ。
「それと同時にです」
「神霊達が建てたんか」
「共に力を合わされて」
「築いたか」
「そうです、ですが」
「人の世がはじまってから見てもか」
「数える程しかです」 
 それこそというのだ。
「ここまで来られた方はです」
「おらへんか」
「左様です」
 まさにというのだ。
「ここまで来られたなら」
「それならか」
「必ず踏破されてますか」
「そうなんか」
「私の知る限り」 
 芥川にこう断わって話した。
「左様です」
「そうなんか」
「それだけです」 
「四霊獣との戦いがか」
「ふるいになっているのでしょう」
「最初の最初でか」
「まさに」
 こう話した。
「最初が肝心と言いますが」
「その最初がか」
「最大のふるいになっていまして」
「あそこで負けて」
「諦めたなら」
 そうなればというのだ。
「もうです」
「ここまで来ることはないか」
「はい、そして」
 女はさらに話した。
「踏破もです」
「出来んか」
「そうかと」
「そういうことか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「皆さんでしたら」
 十人全員を見て話した。
「踏破出来ると思います」
「何で言えるんや?」
 中里は女に微笑んで尋ねた。
「僕等やと踏破出来るて」
「実力に加えて」
 このことはステータスを見ての言葉だ、この世界ではそれぞれのステータスを確認出来るがこの塔の中でもそうであるのだ。
「ご気質も」
「それも見てか」
「どの方も目が澄んでいて」
 そうしてというのだ。
「まっすぐを前を見ているので」
「そやからか」
「その目を見ますと」
 そうすればというのだ。
「わかります、よく言われますね」
「正しい心を持ってるとやな」
「目はそうなっています」
 澄んでいてまっすぐに前を見ているというのだ。 
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