X ーthe another storyー
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第六話 封印その十七
「三人もです」
「救われ」
「人間も地球も」
その両方がというのだ。
「救われます」
「最高の結末ですか」
「そうなるでしょう」
「ですか、ですがわらわは見たのですから」
丁は丁で言った。
「二つの未来を」
「そのどちらかになると」
「その二つしかです」
運命即ち未来はというのだ。
「ないと」
「その様にですか」
「見たので」
それ故にというのだ。
「変わりません」
「そうですか」
「左様です、ではお話は」
「今回はですな」
「これまでとしましょう、貴方の眠りがです」
それがというのだ。
「深くなってきましたので」
「これ以上のお話はですか」
「貴方にとって辛いので」
「深い眠りも必要ですな」
「人には」
まさにというのだ。
「そうですので」
「だからですな」
「はい、また機会があれば」
「お話しましょう」
「そうして下さい。ではお身体は」
「よくなってきています、僅かずつですが」
「それはよいことです」
「退院した時には全て終わっていますな」
「そうなるかと」
丁もこのことは否定しなかった。
「全てはです」
「終わっていて」
「貴方は運命をご覧になります」
「その結果を」
「そうです、では」
「これよりですな」
「お身体を養って下さい」
こう鏡護に告げた。
「お怪我は深いですから」
「命に問題はなくとも」
「そうされて下さい」
「そうします」
鏡護も答えた、そうしてだった。
彼は深い眠りに入った、そのうえで怪我を癒すことに専念した。だが彼は自分の子供達の未来も世界の運命も心配していなかった。
第六話 完
2022・12・1
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