八条学園騒動記
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第六百八十六話 カラフルにふんだんにその五
「鱒をそうして選んで」
「それでなんだ」
「食べていたのよ」
「そうだったんだね」
「それもね」
シッドにさらに話した。
「鱒のフライにはね」
「逸話としてあるんだ」
「そうよ」
「成程ね」
「けれどそれはソ連つまりね」
「ロシアのお話だね」
「それでスターリンはジョージア人だから」
この国の出身でというのだ。
「カナダとはね」
「また違うね」
「そうよ」
こう言うのだった。
「同じ鱒のフライでね」
「スターリンのはジョージア料理ので」
そうした鱒のフライでというのだ。
「僕達が食べているのはだね」
「ええ、カナダ料理のね」
「鱒のフライだね」
「そうよ」
こう話した。
「また違うわ」
「同じ食材同じお料理でも」
「国が違うとね」
それならというのだ。
「何かとね」
「調理方法とかもなんだ」
「変わってね」
それでというのだ。
「別ものよ」
「そうなっているんだね」
「ええ」
まさにというのだ。
「そうなのよ」
「成程ね」
「まあカナダのお寿司は」
ここでメアリーはこうも言った。
「日本人から見ればね」
「よく違うって言われるね」
「アメリカのお寿司以上にね」
この国の寿司はこの時代でも日本人からは自分達の国の寿司とは全く違ったものになっていると言われている。
「違うってね」
「お握りみたいとかね」
「言われるけれど」
「違うのかな」
トムは首を傾げさせて言った。
「そんなに」
「別にそうは思わないわね」
メアリーもこう言った。
「カナダのお寿司もね」
「お米使ってるしね」
「健康の為に麦を入れてる位で」
「麦ご飯だね」
「それ位よ」
トムに対して話した。
「それでお酢を使ってね」
「お砂糖とね」
「それでシャリにして」
寿司ご飯にというのだ。
「握ってね」
「上にネタを乗せてね」
「それで作るけれど」
「そんなにおかしいかな」
「おかしくないわよ」
メアリーは特に思うことなく述べた。
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