イベリス
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第八十五話 夕食もその十五
「そうなるわね」
「そうよね」
「それで殺されてもね」
「相手はよ」
「何とも思わないわね」
「だからね」
そうしたことを見ればというのだ。
「間違ってもよ」
「軽い気持ちで告白しないことね」
「恋は盲目って言うけれど」
「そうなったら痛い目見るのは自分ね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「誰かを好きになるにも」
「慎重にね」
「そうすることよね」
「恐ろしい教訓よね」
同級生は顔を曇らせて述べた。
「本当に」
「殺されなくても本校の人はトラウマになったっていうし」
「あんまり酷い経験だったから」
「物凄い傷付いたのは間違いないから」
だからだというのだ。
「そう考えるとね」
「本当に慎重にね」
「好きになるには」
「相手をよく見て」
「告白するにもよ」
「慎重に、ってことね」
「自分の為にも」
深刻なトラウマを受けない為にもというのだ。
「そうしろってことね」
「私達におあつらえ向きの教訓よね」
「ええ、私達位って」
「恋愛をね」
「そろそろ経験していくわね」
「中学の時からだけれど」
「今もよね」
高校生の時もというのだ。
「やっぱりね」
「経験していくわね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「その中でね」
「そうした痛い経験すると」
「洒落になってないから」
「トラウマになる位にね」
「そうならない為にも」
「最初からね」
それこそというのだ。
「知っておくことね」
「そうね、そうしたらね」
「痛い目見なくて済むわ」
「そういうことよね」
二人でカレーを作りながら話した、咲は合宿の中で恋愛のことも知っていった。それは甘いと言われるがそれだけのものではないということも。
第八十五話 完
2022・11・1
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