ドリトル先生とタキタロウ
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第九幕その七
「一メートルの鯉にね」
「鮒もだね」
「あの湖は」
「しかも二メートルのオオウナギも入るし」
「あそこは有名だね」
「イッシーでも有名だけれどね」
この未確認動物でもというのです。
「そうした生きもの達でも有名だけれど」
「何故そうか」
「広くてだね」
「そして食べものが豊富だから」
「それでだね」
「そうだよ、だからタキタロウが二メートルもあるか」
そこまで大きいかといいますと。
「多分これは噂でね」
「実際はそこまで大きくないのね」
「一メートルもなくて」
「大体七十センチ位?」
「それ位なんだ」
「多分ね。ただ七十センチといっても相当だよ」
かなりの大きさだというのです。
「日本の淡水魚ではね」
「そうだよね」
「日本の淡水魚っておおむね小さいからね」
「ビワコオオナマズは最大で一メートルで」
「それ位だし」
「そのことを思うとね」
それならというのです。
「タキタロウが七十センチ位でもね」
「結構な大きさなんだ」
「そうなんだね」
「充分凄いのね」
「日本の淡水魚では」
「そうだよ、ちなみにソウギョもいるね」
日本にはというのです。
「このお魚も」
「何かあまりいない?」
「鯉と比べると」
「何でも日本の川は流れが速くて」
「ソウギョには合わないんだね」
「日本は山が多くて土地が狭いからね」
大陸と比べると、というのです。
「川の流れが急だからね」
「どうしてもそうなるね」
「山が多くて土地が狭いと」
「日本は領土自体は世界的には結構広いけれど」
「島国で幾つもの島に分かれていて」
「しかも細長いから」
「どうしても川の流れは急になるんだ」
そうなってしまうというのです。
「日本はね」
「それで元々大陸の大河に住んでいるソウギョには住みにくいね」
「どうしても」
「いられるとしたら淀川や利根川で」
「世界的に見たら然程大きくない川だね」
「そうなんだ、それでソウギョがここにいるかというと」
この大鳥池にというのです。
「ちょっとね」
「ないんだね」
「そうなんだね」
「どうしても」
「うん、タキタロウはソウギョ説もあるけれど」
それでもというのです。
「あの剥製も違うしね」
「全然似てないね」
「イワナとか言われたらわかるけれど」
「ソウギョはないね」
「ソウギョはあんな険しい感じじゃないよ」
「もっと穏やかな感じだよ」
「僕もそう思うよ」
先生にしてもです。
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