星河の覇皇
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第八十三部第二章 撤退の果てにその三十九
「所詮は八ビットの世界だった」
「お話にもなりませんね」
「今では骨董品の中の骨董品です」
「まさに千年以上前の技術です」
「人類が宇宙に出る以前の」
「そうしたどうにもならない技術です」
「マウリアやエウロパでも」
今彼等が敵とみなし連合から見れば技術的に何百年も遅れているというそうした国々もというのだ。
「八ビットなぞです」
「一体何なのか」
「振り向くまでもない」
「そうしたものです」
「そうであるが」
しかしというのだ。
「当時はな」
「その様に思われていましたね」
「これ以上はないまでのもの」
「その様に」
「そうだった、当時の子供達はそう思って遊んでいた」
一メガで驚かれていた程だった、当時は。
「素晴らしいものが出てきたとな」
「そうでしたか」
「ですがそれがですね」
「変わっていき」
「今では}
「ゲームは操縦器も必要ない」
二十世紀のものと違ってというのだ。
「画面も全く違う」
「八ビットなぞですね」
「とても考えられず」
「立体的に出てきますし」
「上下左右前後から見ることが出来ます」
「その画面を」
「そこまでになっている」
まさにというのだ。
「今はな」
「そしてですね」
「今以上に進歩していきますね」
「ゲームにしても」
「そうなっていきますね」
「そうだ、今で終わりということはな」
それこそというのだ。
「ない」
「さらにですよね」
「発展していきますね」
「例え限度があろうとも」
「その限度は遥か先ですね」
「人が限界に達すると考えるまでもない」
それこそというのだ。
「そこまでの域だ」
「まさに御仏の域ですね」
「我々よりも遥か上におられる」
「そこまでのものですね」
「そうだ、だからだ」
そうした域のものだというのだ。
「我々が危惧することはない、安心してだ」
「進歩していけばいいですね」
「このまま」
「そして発展していき」
「常にマウリアやエウロパの遥か先にいる」
「そうなっていきますね」
「それでいい、技術を渡さないことは当然にしても」
国策ひいては国防としてそれはというのだ。
「だが守りに入ってだ」
「そうしてですね」
「そればかりになり」
「技術の発展をおろそかにしては」
「何にもなりませんね」
「政治の世界も攻めてこそだ」
即ち発展してこそというのだ。
「正しいことだ」
「全く以て」
「その通りですね」
「そのことは」
「左様ですね」
「そうだ、この話はこれで終わる」
いい区切りになったからだというのだ。
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