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八条学園騒動記

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第六百八十五話 大食を前面にその六

「北大路魯山人って人らしいわ」
「どんな人かな」
「性格はかなり悪かったらしいわ」
 知っている者の殆どが忌み嫌うまでだったという。
「利己的で傲慢で人を人と思わない」
「そんな人だったんだ」
「悪人だったらしいけれど」
 それでもというのだ。
「芸術家としても食通としても確かで」
「それでなんだ」
「食器にもね」
 料理だけでなくというのだ。
「凝ってね」
「それでなんだ」
「そう、それでね」
 そのうえでというのだ。
「そうした文化もね」
「確立したんだ」
「そう言われてるわ」
「そうなんだね」
「二十世紀の人で」 
 その時代だというのだ。
「その人からもね」
「日本の食器まで使う文化が確立したんだ」
「そうなのよ」
「ううん、歴史があるね」
 トムはここまで聞いて唸って言った。
「二十世紀からなんて」
「二十世紀には我が国もあったけれどね」
「その頃の我が国なんてね」
 カナダはというのだ。
「正直言って今とね」
「宇宙に出ていないけれど」
「それでもね」
「同じよ」
「目立たなかったね」
「国土は広かったけれど」
 世界二位であった。
「今も持っている星系は連合二位だけれどね」
「それ自体は多いんだよね」
「ええ、けれどね」
 それでもとだ、メアリーは話した。
「今もそうで」
「二十世紀もだね」
「カナダは目立てなくて」 
 それでというのだ。
「そんな凄い文化もね」
「生み出してるよね」
「生み出していても」
 そうであってもというのだ。
「けれどよ」
「ああ、知られてないんだね」
「幾ら素晴らしいものを生み出せても」
「カナダの中だけだね」
「そこから出ることはね」
 そうしたことはというのだ。
「今もだし」
「当時からもなんだ」
「そうなのよ」
「赤毛のアンのシリーズだってそうだしね」
 シッドは困った顔で話した。
「前もお話したけれど」
「アメリカの作品って思われるわね」
「本気で言われるから」
 上段でなくというのだ。
「シリーズになってることは知らないことは仕方なくても」
「実は赤毛のアンははじまりで」
「それでね」
 そこからさらにというのだ、言うならばアンシリーズとも呼ぶべきもので彼女の娘まで話が続いているのだ。
「ずっと続いているんだけれど」
「そのことも知られてないけれど」
「このことはね」
 シッドは考える顔で述べた。 
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