八条学園騒動記
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第六百八十五話 大食を前面にその四
「赤い唐辛子ばかりだとね」
「どうしてもね」
メアリーもそれはと答えた。
「赤くなるわね」
「だから地球の頃の韓国料理はね」
「真っ赤だったわね」
「そうだったんだよね」
「そうよね」
「それで色々な色の唐辛子を使えば」
赤だけでなくとだ、トムはさらに話した。
「カラフルになるよ」
「そうね」
「連合の他の国はカラフルな料理にしたがるよ」
カナダ以外のこの国の中にある諸国家はというのだ。
「けれど僕達はね」
「カナダ人はね」
「カラフルかっていうと」
「やっぱり違うわね」
「日本人なんか」
トムはふと気付いてだ、今自分達がいるこの国の人達のことを話した。
「お皿さえね」
「ああ、和食ってお皿も凝るわね」
メアリーもそれはと答えた。
「懐石料理なんか」
「そうだよね」
「あくまでご馳走限定だけれど」
それもかなりのだ。
「お皿とかの陶器だってね」
「凄いよね」
「もう芸術品みたいよ」
「そこまでするね」
「素晴らしいお料理には素晴らしい器が必要だって」
「そうした考えで」
それでというのだ。
「やってるんだよね」
「何か日本って何かと凄いよね」
シッドは唸る様にして応えた。
「工夫に工夫を凝らす」
「そんな国だよね」
「普通にやっても大国なのに」
「そこで凝りに凝ってね」
「工夫を尽くしていくから」
だからだというのだ。
「物凄いことになるね」
「何でもね」
「お料理だってね」
「お料理自体も凄くて」
それでというのだ。
「奇麗なのに」
「そこでお皿もだからね」
「カナダなんてね」
「お皿はお皿でね」
「何ともね」
それこそというのだ。
「思ってないね」
「そうだよね」
シッドは兄に応えた。
「別に」
「まあお金持ちはね」
「高い陶器使ったり」
「銀だね」
「そっちだね」
「それで宝石のグラスとかだけれど」
それでもというのだ。
「凝るかっていうと」
「食器にね」
「そうしたお国柄でもないね」
「そうだよね」
「我が国はね」
「ところが日本は」
シッドはまた自分達が今いる国の話をした。
「そこもね」
「違うね」
「そうそう、もうね」
それこそというのだ。
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