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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百三十三話 司馬尉、陣を語るのことその三

 ロバートはまただ。こう言ったのである。
「どないしたもんやな」
「こんな場所で戦うんだな、俺達は」
「敵が何処から出ても丸わかりやな」
「逆に言えば俺達もだな」
「敵から丸見えや」
「見える限りはな」
 これは視力の関係だった。そしてだ。
 二人にだ。テムジンがこんなことを言うのだった。
「ワスの経験から言うと敵はあっという間に来るダスよ」
「この草原じゃか」
「そうやねんな」
「敵と味方を阻むものは何もないダス」
 実際にだ。障害物なぞ何もない。この緑の大平原にはだ。
「しかも敵は馬に乗っているダス」
「それも重要だな」
「バイクに乗ってるのと同じやからな」
「だから一気に来るダス」
 テムジンは真顔で二人に話す。
「そこが大事ダスよ」
「気をつけるべきだな」
「敵があっという間に来るんやったらな」
 リョウとロバートも話す。そうしてだった。
 テムジンもだ。周りを見回す。そして彼はまた二人に言った。
「こうしたところが一番危ないダス」
「何時来るかわからない」
「敵がやな」
「只でさえ白装束の連中は神出鬼没ダスが」
「馬に乗っている遊牧民族もだな」
「急に出て来て襲い掛かって来るわな」
 彼等は警戒の念を解く訳にはいかなかった。それがそのまま死を意味するからだ。
 そしてだ。休息の間もだった。
 やはりロバートは周囲を見回す。そして言うのだった。
「地平線の彼方まで見られればええんやけれどな」
「そうだな。俺達の視力がもっとよければな」
「ここまで不安になることもなかったわ」 
 敵襲を警戒してだ。不安を感じているのだ。
「難儀な話やで」
「地上から見ることには限度があるな」
 リョウは餅を食べながら言った。ロバートは焼きそばだ。二人はそれぞれ好物を食べている。
 そうしてだ。やはり周囲を警戒し続けるのだった。
 そうしてだ。また言うのだった。
「それならだな」
「ああ、空飛べる連中の出番や」
 二人が言うとだ。早速だった。
 テムジンがだ。二人に言ってきた。
「アルフレド達はもう飛んでいるダスよ」
「何っ、そうか」
「それならかなりちゃうな」
「そうダス。陸地から見えるものには限りがあるダス」
 それはだというのだ。
「しかし空から見るとダス」
「遥かに広く見られるからな」
「ほな安心できるな」
「そういうことダス。アルフレド達から連絡がない限りは大丈夫ダス」
 テムジンが笑顔で言うとだ。ここでだった。
 いきなりだ。怪物達が出て来たのである。そしてここでもだった。
 大爆発を起こす。それから言うのであった。
「あたし達もお空飛べるわよ」
「しかも千里眼もあるからね」
「だから。敵の偵察は任せてね」
「どんな敵でも一瞬で見つけちゃうわよ」
 こう言ってウィンクしたところでだった。またしてもだった。
 大爆発が起こった。再びだった。
 その二度の爆発から起き上がったリョウがだ。こう彼女達に言ったのである。
「そ、そうか。それは有り難いな」
「そうでしょ。だから任せてね」
「あたし達もいるからね」
「まああんた達は確かに凄いわ」
 ロバートもぼろぼろになりながら立ち上がる。
「人間のものとは思えんわ」
「あたし達仙女だからね」
「術が使えるからね」
「今回の戦いもこの術をふんだんに使ってるのよ」
「今からね」
「妖術ダスな」
 テムジンは妖怪達のその外見から言った。 
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