星河の覇皇
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第八十三部第二章 撤退の果てにその三十三
「しかしだ」
「それでもですね」
「政治は違う」
「技術もまた」
「ゴールはない」
「マラソンと違い」
「常に走り続けるものだ」
その四十二・一九五キロで止まらずというのだ。
「永遠にな」
「そこがスポーツと違いますね」
「マラソンはそこで一等になればな」
それでゴールインすればというのだ。
「ハッピーエンドだが」
「それでもですね」
「政治は違う、ひいてはな」
「世の中自体がですね」
「そうだ」
航海長にこう答えた。
「世の中はそれこそ人類の歴史が終わるまでな」
「続きますね」
「そうだ、だからだ」
「それで、ですね」
「我々もだ」
つまり連合もというのだ。
「そうしてだ」
「走り続けないといけないですね」
「その通りだ、スポーツならゴールして終わりだが」
少なくともそのレースはというのだ、もっともスポーツにしてもまた次のレースがあり引退してもコーチの仕事があったりもする。
「政治は違う、まことにな」
「永遠に続き」
「走り続ける、これは辛いが」
「それが世の中ですね」
「そう考えてだ」
そのうえでというのだ。
「やっていくことだ」
「左様ですね」
「世の中はゴールがないですね」
「永遠に続いていきますね」
「どうしても」
「ハッピーエンドはない」
それはというのだ。
「勝ったと思ってもだ」
「続きますね、ことは」
「そのまま」
「一旦優勢に立っても」
「それでもですね」
「それが政治であってだ」
そしてというのだ。
「人間の社会だ」
「人類が続く限りですね」
「国家間の競争は続きますね」
「そして終わることなくですね」
「優劣を競い合っていきますね」
「疲れると思ってもだ」
その人類が続く限り続く競争がというのだ。
「それでもだ」
「止まる訳にはいかないですね」
「休むことは」
「それが永遠に続くマラソンでも」
「決して」
「まさに止まるとだ」
その時点でというのだ。
「相手に追い抜かされる」
「技術を」
「そうなりますね」
「この度も」
「左様ですね」
「そうだ、実際に連合は殆どの国が植民地になっているな」
艦長はこのことも話した。
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