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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその三十一

「その部屋の中で休んでもらってもな」
「それだけのことでもですね」
「室内を調べられて」
「そこにあるものの技術を見られますか」
「何でもない家庭用のゲームでもだ」
 こうしたものでもというのだ。
「普通にマウリアから見ればオーバーテクノロジーだ」
「子供が普通に遊んでいるものでも」
「そうたものでもですね」
「マウリアにとってはそうした技術ですね」
「そうなっているからな、他の子供のおもちゃでもだ」
 ゲーム以外でもというのだ。
「そうしたものだ」
「トイレだけでなくおもちゃも」
「我々にとっては文字通りのものでも」
「マウリアから見ればですか」
「違うのですね」
「そうだ、私もずっとわからなかったが」
 艦長でもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「マウリアにとっては違う」
「最先端の技術が使われている」
「自分達にはないものが」
「だからだ、よく見てそして調べ買ってだ」
 そうしたことをしてというのだ。
「手に入れていっている」
「そしてエウロパにも渡す」
「その技術を」
「そうもしていっていますか」
「だからおもちゃもな」
 これもというのだ。
「彼等に贈ることは注意しないといけないな」
「子供のおもちゃといえば」
 副長がどうかという顔で言ってきた。
「うちの子供が好きで」
「君のお子さんは今十五歳だったな」
「マニアでして」
 おもちゃのとだ、副長は艦長に笑って話した。
「子供用のおもちゃを集めることが趣味で」
「だからか」
「はい、色々なおもちゃを買っています」
 子供用のそれをというのだ。
「何でも子供が楽しむものこそ奥が深いとです」
「そう言ってか」
「自分のお小遣いで買って楽しんでいます」
「そうだったか」
「はい、そして」
 それでというのだ。
「子供から見ればです」
「まさに何でもないことだな」
「普通にコレクションにしていて」
「連合ではだな」
「そんなものですが」
「そのおもちゃがな」
「マウリアでは最先端技術の塊とは」
 このことを感じてだ。英雄はまた言った。
「何といいますか」
「ピンとこないものもあるな」
「どうにも、ですがそういうものですね」
「そうだ、自分達から見て何でもないものでもな」
「他国から見れば宝の山だったりしますね」
「艦にしてもな」
「ですね、ではマウリア側には表は友好的でも」
 それでもとだ、副長は話した。
「それは仮面で」
「今後は警戒していこう」
「スパイと見て」
「艦艇に来た者全員をな」
「そして連合全体で、ですね」
 船務長も言ってきた。
「警戒しなければならないですね」
「あの国がそうしてくるのだからな」
「エウロパを助けるなら」
「守りはな、しかしそれを言えば」
 艦長はこうも言った。 
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