イベリス
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第八十四話 合宿その七
「早稲田大学も」
「それで八条大学もね」
「略して八大ですね」
「あそこは偏差値は早稲田と比べると流石に低いわ」
「殆どの学部が大体五十六か五十八ですね」
「法学部と医学部だけ七十超えててね」
そうした状況でというのだ。
「そうなってるわね」
「そうでしたね」
「それでね、学部によって偏差値も違って」
「入試問題も違いますね」
「だからね」
その為にというのだ。
「グループに分かれて」
「受験勉強するんですね」
「小山ちゃんもそうなるわよ」
「私もですか」
「ええ、三年生になったら」
即ち受験生になればというのだ。
「その時はね」
「そうなるんですね」
「ええ、だからね」
それでと言うのだった。
「三年生になったら」
「この合宿はですね」
「もう殆どよ」
「部活じゃなくてですね」
「受験の為のね」
「合宿ですね」
「そうなってるのよ、現実としてね」
副部長はさらに話した。
「大学に行きたいならね」
「基本受験ですね」
「推薦でも多少は勉強しないと駄目よね」
「そうですね」
「スポーツ推薦ならいいけれど」
こちらは入試はあってもかなり甘い場合がある、長嶋茂雄氏は名前を書けばそれでよかったという。
「やっぱりね」
「基本はですね」
「勉強をしないと」
「合格出来るだけの学力を備えることですね」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「テストを受けるものだから」
「それで、ですね」
「もうね」
それこそというのだ。
「勉強しないとよ」
「駄目ですね」
「現実としてね」
「やっぱりそうですよね」
「そう、まあ受験勉強は嫌でも」
そう思ってもというのだ。
「勉強したら道が開けるならいいでしょ」
「大学に進学出来たりですね」
「北朝鮮なんか生まれでよ」
「何か出生身分とかあるんですよね」
「そう、それでね」
「人生も決まってしまいますね」
「共産主義だけれどね」
身分を否定していることを看板としているイデオロギーであるがだ。
「あそこはそうよ」
「生まれで全部決まりますか」
「昔の封建社会もだったしね」
こちらもというのだ。
「貴族だけが偉くなるとか」
「そういう社会でしたね」
「何かになりたくても限られていたのよ」
「例えば漫画家になりたいと思っていてもですね」
「それでも立場によってなれなかったのよ」
封建時代はというのだ。
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