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八条学園騒動記

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第六百八十三話 大食の国その十

「気にしないでね」
「そうするね」
「まあ沢山食べても悪いことじゃないし」
 蝉玉も言った。
「七つの大罪にあっても」
「大食だね」
「それは極端に生産力が低くてね」
「誰かが沢山食べたら太るからだね」
「それでそう言ったし」
 ダンテの神曲ではそれがキリスト教の倫理となっているにしてもだ。
「今だとね」
「悪いことじゃないね」
「このこと自体はね」
 全くというのだ。
「これといって」
「だからいいんだ」
「ええ」
 別にというのだ。
「このことはね」
「まあ七つの大罪他はどうかでも」
 憤怒と嫉妬、好色、怠惰、傲慢、強欲である、
「別にね」
「沢山食べてもでしょ」
「僕も悪いとは思わないよ」
「私もよ」
 蝉玉もというのだ。
「だからね」
「それを宣伝してもだね」
「怒らないわよ」
「怒る人いないんだね」
「ユダヤ教のラビの人達はわからないけれど」
 極端に厳格で禁欲的なことを説く彼等はというのだ。
「けれど今更ね」
「それで言う人はいないね」
「まずね」
「まあラビの人達は別ね」
 アンネットもそれはと答えた。
「もうあれは駄目これは駄目で」
「厳し過ぎるね」
「もう言うことはね」
 それこそというのだ。
「修道院より遥かによ」
「厳しいことだね」
「禅宗でもよ」
 仏教でもというのだ。
「食べものは残さない様に言っても」
「沢山食べることについてはだよね」
「言わないから」
「そうみたいだね」
「だからよ」
 その為にというのだ。
「あの人達のことはね」
「また別だね」
「そうしてね」
 それでというのだ。
「ラビの人からクレームが来てもよ」
「スルーだね」
「だって一人の言うことを聞いて」
 それでというのだ。
「チャンネル止める?」
「そんなことしないよ」
 トムは即座に否定した。
「僕達だってだよ」
「カナダを有名にしないとって思ってるわね」
「その願いは本物だから」
 それ故にというのだ。
「僕だってだよ」
「それじゃあよ」
「そうしたこともなんだ」
「宣伝したらいいわ」
「そのこと話すよ」
 トムはまたこう言った。 
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