| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十三話 合宿の朝その十四

 昼食の後はまずは泳いだ、江田島の海水浴場に行って水着に着替えて泳ぐが見れば合宿に参加している部は皆集まっていた。
 一華はそこでかな恵、富美子、留奈、理虹達いつもの面子とも会ったが。  
 水着姿のかな恵の胸を見てだ、こんなことを言った。海水浴場にいるのでどの部の者も全員水着である。
「また大きくなったわね」
「変わってないんじゃないの?」
 かな恵は特に意識していないという顔で応えた。
「私のおっぱいは」
「いや、大きくなったわよ」
 その胸を見続けつつ言った。
「絶対に」
「そうかな」
「ええ、小学校の時からだったし」
 かな恵の胸が大きいことはというのだ。
「今だってね」
「大きいの」
「だから言うのよ」
「そう言うあんたも大きくなってるわよ」
 富美子は一華に言った、尚水着は学校指定のものである。学校の活動なのでそうなってるが指定水着はビキニはないが実に種類が多い。
「前よりね」
「そうかしら」
「そうよ、一華って背は低いけれど」
 五人の中で一番小柄なのは変わらない。
「スタイルはいいし」
「胸もなの」
「大きくなってるわよ」
「そうなのね」
「ええ、だからね」
 一華にややジト目になって話した。
「言わない方がいいわよ」
「かな恵の胸が大きいとか」
「他の人のことはね」
「そうなのね」
「自分もあるなら」
 それならというのだ。
「言わない方がいいでしょ。それにね」
「それに?」
「お姉ちゃんが言うには男の人って胸の大小気にしない人も多いそうだから」
「そうなの」
「大きいなら大きいでよくて」
 そしてというのだ。
「小さいならね」
「小さいでいいの」
「そうしたものだっていうから」
「気にすることないの」
「そうみたいよ、実際あの人気にしてないでしょ」
 丁度傍を通った白いスクール水着の小柄で黒髪を日本人形の様に伸ばしている少女を見て一華に言った。
「商業科の厚生委員長さん」
「あの人女子野球部だったわね」
「二番セカンドのね」
「あの人は胸じゃないわね」
「あの人は額だから」
 そっとだ、留奈は強張った顔で囁いてきた。
「有名でしょ」
「ああ、気にしておられるのよね」
「とても温厚で優しい人だけれど」
「面倒見もよくてね」
「額のこと言われるとね」
 その時はというと。
「アイアンクロー来るから」
「握力凄いそうね」
「ええ、けれど富美子の言う通りね」
「あの人はなのね」
「胸は気にされてないから」
 そうだというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧