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ハッピークローバー

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第六十三話 合宿の朝その十一

「やっぱり」
「スーパースターだからね」
「あの人の影響は凄いわよ」
「メジャーでも大活躍だったし」
「それであの人毎朝カレーだったから」
 そうした食生活だったからだというのだ。
「真似する人も多いのね」
「メニューにカレーあるしね」
「実際にね」
「それじゃあ丁度いいし」
「食べる人も多いわね」
「私も明日そうしようかしら」
 一華はソーセージを食べつつ思った。
「カレーにね」
「いいんじゃない?」
「実際ここカレーも美味しいみたいだし」
「イチローさんもそうしてるし」
「身体にもいいしね、カレー」
「そうなのよね、野菜にお肉が沢山入っていて」
 カレーにはとだ、一華は話した。
「ルーには漢方薬も入ってるし」
「まさに栄養の塊」
「食べて損はなし」
「それじゃあね」
「食べて損はないわよね」
「ええ、だからね」
 それでと言うのだった。
「明日はね」
「一ちゃんもカレーね」
「それ食べるのね」
「朝は」
「そうしようかしらね、しかし今年の夏は」
 一華はふとこうも思って言った。
「私よくカレー食べてるわ」
「そうなの」
「そういえば海の家でアルバイトしてるわね」
「八条町の海水浴場で」
「そう、そこでもね」
 まさにというのだ。
「カレー食べてるから」
「カレーよく食べてるのね」
「この夏は」
「そうしてるのね」
「そうなの」
 思えばというのだ。
「どうもね」
「成程ね」
「それで明日の朝もなの」
「一ちゃんカレー食べるの」
「そうするの」
「そうするわ」
 実際にというのだ。
「美味しそうだし。それにね」
「それに?」
「それにっていうと」
「イチローさんみたいなら」
 それならというのだ。
「いいしね」
「あれっ、一ちゃん阪神ファンでしょ」
「メジャーに興味ないでしょ」
「マリーンズにも」
「そうでしょ」
「メジャーは興味ないけれど」
 一華は正直に答えた。
「イチローさん自身がよ」
「好きなの」
「そうなの」
「一ちゃんは」
「そうなの、あのバッティングとね」
 見事なまでにヒットを打つそれにというのだ。
「守備も走塁もね」
「あの人どれも凄いのよね」
「足滅茶苦茶速いし」
「しかも守備も上手で」
「足が速いから守備範囲広くて」
「グラブ捌きもよくて」
「肩も強くて」 
 一華はイチローのこのことも話した。 
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