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ハッピークローバー

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第六十二話 青く奇麗な海を観てその三

「練習も無理でしょ」
「だからですね」
「お風呂で抜いてないとですか」
「その時はですか」
「ウェアを着て」
 そうしてというのだ。
「どんどん走らさせられて」
「お酒抜かさせられて」
「そのうえで、ですか」
「部活ですね」
「練習ですね」
「そうさせらるみたいよ、ただ皆ね」
 それこそとだ、先輩は話した。
「もう朝起きたら何としてもね」
「お風呂ですね」
「そこに行ってですね」
「お酒抜くんですね」
「サウナとか湯舟に入って」
「そのうえで」
「さもないとずっとしんどいから」
 二日酔いでというのだ。
「そうするのよ」
「何か切実ですね」
「そこまでしないと駄目なんて」
「朝にお風呂入らないと駄目なんて」
「それはまた」
「そうよ、皆そこまで飲むのよ」
 夜にというのだ。
「かなりの二日酔いになるまでね」
「そうなんですね」
「そうした合宿なんですね」
「部活して泳いで飲む」
「それでお風呂にも入る」
「そうよ、もう休んでる暇なんてないから」
 それこそというのだ。
「覚悟して楽しみなさいね」
「わかりました」
「そうしてきます」
「色々あるみたいですが」
「そうしていきます」
 一華達も応えた、そうしてホテルに着くと荷物を置いてそれぞれの学校のジャージに着替えてそのうえでだった。
 準備体操の後で走った、それも徹底的に走り。
 それでだ、コーチは十キロ走ってダッシュ等のメニューをさせてから部員達に言った。黒髪をショートにした一七〇程の長身のすらりとした二十代後半の女性だ。
 その彼女がだ、こう言った。
「後はサーキットして終わりよ」
「今日はそれで終わりですか」
「十キロ走って」
「それでサーキットやって」
「それで終わりですか」
「そうよ、今日は泳がないけれど」 
 それでもというのだ。
「明日からはよ」
「泳ぐのもありですね」
「そうなんですね」
「そうよ」
 こう部員達に話した、江田島の海の傍で。
「今は時間がないけれどね」
「来たその日ですから」
「それで、ですね」
「今日はなしですね」
「泳ぐのは」
「そうよ、今日はサーキットをしたら」
 その後はというと。
「ストレッチして終わりよ」
「わかりました」
「じゃあ次はサーキットします」
「そうします」
「そうしなさい、水分補給はしっかりね」
 コーチはこうも言った、そうしてだった。
 女子バスケ部の面々はランニングの後はサーキットとストレッチをした、それで部活を終えてだった。 
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