ハッピークローバー
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第五十九話 夏の盛りでその十
「ズボン穿きましょう」
「さもないと刺激的過ぎます」
「ビーチならいいですけれど」
「そうした格好になる場所ですから」
「けれどお店の中でお仕事の時は」
「わかってるわよ、ちゃんと穿くわ」
店長は青のジーンズを出して笑って応えた。
「安心してね」
「はい、お願いします」
「見てる方がドギマギします」
「そんな恰好ですと」
「同じ女の私達も」
「そうなりますから」
「今から穿くわね」
こう言って実際にジーンズを穿いた、すると普通に夏のファッションになった。だがここで店長はまた言った。
「いや、水着って要するに下着だからね」
「はい、本当に」
そうだとだ、一華は応えた。
「泳ぐ為の服といっても」
「デザイン的にも着ける場所もね」
「下着と同じですね」
「変わらないわよ」
「だから水着で歩くってことは」
「本当にね」
それはというのだ。
「下着でよ」
「歩くことですね」
「さっきはよかったけれど」
ビーチに出る時はというのだ。
「流石にお仕事の時はね」
「水着のままではですね」
「いないわ」
店長もというのだ。
「私もね」
「そうですね」
「基本ね」
「基本ですか」
「そうした時もあるけれど」
それでもというのだ。
「普段はね」
「ちゃんと服を着て」
「そうしてお仕事してるのよ」
「ビーチでもですね」
「ええ、ただ彼氏はね」
付き合っている彼はというと。
「お部屋の中で水着でいるとね」
「そうしたらですか」
「すぐにムラッときてよ」
「そうしてですか」
「わかるでしょ、そこからは」
「はい、とても」
一華もその通りだと答えた。
「よくわかります」
「そうでしょ、本当に水着はね」
「下着と変わらないですね」
「覚えておいてね」
「そのことも」
「そう思ったらアイドルの人達は」
かな恵は考える顔で話した。
「水着になるのは必至と言ってもいいけれど」
「もう下着姿でね」
富美子が応えた。
「グラビアの方のね」
「お仕事してるってことね」
「本当に下着姿になる時もあるし」
「身体張ってるわね」
「それだけでも凄いわね」
「そうそう出来ないわ」
「歌にダンスに握手会に」
留奈も言った。
「他にもお仕事あるしね」
「アイドルも大変ね」
理虹の口調はしみじみとしたものだった。
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