ハッピークローバー
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第五十九話 夏の盛りでその四
「まさによ」
「絶対のことですね」
「そのお話私達もしたことありますけれど」
かな恵は自分の弟が姉と弟の組み合わせがあった成人漫画雑誌を彼の部屋で見付けたことを思い出して眉を顰めさせつつ述べた。
「やっぱりそうしたことは」
「もう嫌でもね」
「受け入れるしかないですか」
「あんた達だってここで水着になって泳いでるし」
そうしているからだというのだ。
「もうね」
「それならですか」
「誰かにね」
「見られていて」
「それでよ」
「そうしたものですね」
「もう水着になるってことは」
これはというのだ。
「泳いでね」
「そう使われることもですね」
「あるってことよ」
「そういうことですね」
「特に十代の男の子は」
その年代の彼等はというのだ。
「それで頭が一杯だから」
「私達の同級生や弟も」
「武田信玄さんも十三歳で結婚して」
この戦国大名もというのだ。
「その年でのうちに子供出来たのよ」
「ああ、そうでしたね」
一華もそれはと応えた。
「最初の奥さんと」
「奥さん妊娠してる途中にお亡くなりになって」
「昔の大河ドラマじゃ南野陽子さんが演じていたわ」
「そうでしたね」
「あの人一話でお亡くなりになって」
その時の大河ドラマではだ、このシリーズも作品ごとに人気が違うがこの時の武田信玄は大人気だったという。
「また出て来てこられてね」
「それでまたですね」
「お亡くなりになったけれど」
「一作品で二回もですね」
「ええ、それで十代の男の子はよ」
「そうしたことで頭が一杯で」
「女の子の水着姿なんて見たら」
それこそというのだ。
「もうね」
「頭の中に焼き付けて」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「後でね」
「使うんですね」
「頭の中で思い出して想像して」
そうしてというのだ。
「そうするのよ」
「そうですよね」
「あんた達もわかってるでしょ」
「そんなお話したことあります」
一華は正直に答えた。
「本当に」
「そうなの」
「学校の水泳の授業でも」
「見られて」
「他にも家にそうした雑誌あったりとか」
かな恵を見つつ話した。
「漫画の」
「そうした漫画雑誌が何故あるか」
「使うからですね」
「もうその為にね」
まさにというのだ。
「あるのよ」
「そうした漫画は」
「雑誌もね」
「写真集にグラビアも」
富美子も言ってきた。
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