家がなくとも犬がいてくれて
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
「今SNSで、です」
「ベイビーの新しい家族をですか」
「探しています、そして」
シェザーはさらに話した。
「迎えたいという人も」
「出てくれましたか」
「ですから」
「お願いします、子供達にいじめられているこの子を助けて」
ハーバードはベイビーを抱きつつ話した。
「そしてです」
「それからですね」
「ずっと一緒にいますが」
「クゥ~~~ン」
ベイビーを抱きつつ話した、ベイビーはその彼を見て鳴いた。彼はその鳴き声も聞きながらシェザーに話した。
「長くないので」
「最後はですね」
「この子に家族を」
「はい、任せて下さい」
こう話してだった。
シェザーはSNSを通じてだった。
ベイビーの家族を探した、その結果。
ハーバードそしてベイビーの前に心ある家族が来てくれた、彼等はハーバードに穏やかな声で話した。
「後はです」
「私達がベイビーを幸せにします」
「そうですか、お願いします」
「ベイビー、これからは私達が一緒だから」
一家の娘である小さな女の子も話した。
「幸せになろう、これからも」
「お願いします、これでです」
ハーバードは彼等の暖かい声と目を見て笑顔になって言った。
「わしも旅立てます」
「では病院に行きましょう」
シェザーは心残りはないという顔になったハーバードに話した。
「慈善で迎えてくれる病院があるので」
「そこに入って」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「最後の時でも」
「過ごせますか」
「はい、いきましょう」
「わかりました、ベイビー今まで有り難う」
ハーバードはベイビーの頭を撫でて言った。
「幸せになるんだぞ」
「ワン」
ベイビーは鳴いて応えた、そうしてだった。
彼を見送りつつ新しい家族と共に幸せな場所に向かった、ハーバードはその彼を見送ってからシェザーに話した。
「これで、です」
「もうですか」
「満足です、ホームレスでも家族がいて」
「そのご家族が幸せになるならですね」
「こんないいことはありません」
「そうですね、では」
「わしも行きます」
こう言ってシェザーに案内されて病院に入った、そしてベイビーそれにテディーの今の幸せな状況を聞いてだった。
ハーバードは笑顔で旅立った、シェザーはその彼を見送ったのだった。
家がなくとも犬がいてくれて 完
2023・1・24
ページ上へ戻る