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第五十八話 祭りが終わってその一

                第五十八話  祭りが終わって
 一華が家に帰るともう両親がいた、二人共かなり出来上がっていて帰って来た娘にその赤い顔で言ってきた。
「かな恵ちゃん達もいるぞ」
「あんたのお部屋に通したからね」
「早く行ってやれ」
「そうしなさい」
「何時の間に、いや」
 ここでスマートフォンをチェックするとだ。
 四人共ラインで家に行くと言っていた、そして彼女の両親から許可を貰って入ったと連絡があった。
「しまったわ、スマホチェックしなかったわ」
「出来るだけチェックしろよ」
 父は出店の焼きそばを食べつつ言ってきた、傍には缶ビールがある。
「そういうのはな」
「そうよね」
「ああ、じゃあな」
「ええ、かな恵達のとこ行って来るわ」
「そうしなさい」 
 母も言ってきた、母はフランクフルトで缶ビールを飲んでいる。
「いいわね」
「そうしてくるわね」
「それで寝る前にシャワー浴びるでしょ」
「うん、汗もかいたし」
 暑い中でビールもかなり飲んでそうなっていた。
「それじゃあね」
「そうしなさい、じゃあね」
「ええ、行って来るわ」
 自分の部屋にとだ、こう両親に答えてだった。
 自分の部屋に向かった、すると。
 四人共そこにいた、車座に座って飲んで食べていた、そして。
 一華が部屋の扉を開けたのでそちらの顔を向けてだ、こう言ってきた。
「お帰りなさい」
「遅かったじゃない」
「達川君とずっとお話してたのよね」
「飲んで食べながら」
「ええ、けれど四人共何よ」
 出店のものをそれぞれ食べてビールを飲んでいる四人に言った。
「まだ飲んで食べてるの」
「だって好きだし」
 かな恵は紙コップでビールを飲みつつ応えた、見れば傍には缶が結構な数ある。
「それでよ」
「全く、そのビール何?」
「いや、おばさんから貰ったのよ」 
 富美子も真っ赤な顔で言ってきた、左手にその缶開けたそれを持っている。
「それでよ」
「飲んでるの」
「ええ、一華待つ間にね」
 留奈も飲んでいるがぐでんぐでんである。
「飲んで食べてたのよ」
「お祭りの時からだけれど」
 理虹は足を崩している、それで真っ赤になった足が露わになっている。
「ここでもね」
「全く。そう言う私も飲んでるけれど」
 自覚はあった、一華自身も。
「四人共大丈夫?」
「もう飲まないから」
 かな恵が笑って答えてきた。
「だからね」
「大丈夫なの」
「だって明日もバイトあるでしょ」
 一華が達川に言ったことそのままの返事だった。
「だからね」
「明日に差し支えない様に」
「今日はこれでね」
「そうだといいけれど」
「後はそれぞれのお家に帰って寝るわ」
 理虹が言ってきた。
「シャワー浴びてからね」
「私もそうするけれど。しかし皆酔い過ぎよ」
 四人全員を見回してあらためて言った。
「本当にね」
「いやあ、二人きりでかなり飲んだわ」
 富美子は楽しそうに話した。
「今日はね」
「そうみたいね」
「一華もよね」
「だからかなり飲んだってよ」
 一華は富美子のその言葉に答えた。 
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