ハッピークローバー
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第五十七話 少しでも思うことその三
「それじゃあね」
「喪主もさせてもらえなくて」
「それでね」
それでというのだ。
「弟さんがね」
「喪主したのね」
「それが凄く不満だったらしいよ」
「いや、不満でも無理だから」
一華はその冷めきった声と顔で言い切った。
「誰が見てもね」
「そうしたこともわからない人だったんだ」
「いや、そうはなりたくないわね」
一華は心の奥底から述べた。
「何があっても」
「そうだよね」
「そうなったら」
それこそというのだ。
「本当に餓鬼とね」
「同じだよね」
「ええ」
その通りだというのだ。
「そう思うわ」
「そうだよね、何かあらゆるお話がね」
「酷い人ね」
「いいお話が全くないんだ」
「いいところがないってことね」
「献血も一回もしたことないとかね」
達川はこちらの話もした。
「言われてるし」
「普通一回はしない?」
「これも人助けだしね」
「いざって時の輸血あるといいからね」
「けれどそうしたこともしようと思わないで」
「気付くこともないのね」
「そんな人だからね」
そうでもあってというのだ。
「もうね」
「いいお話がないのね」
「いいところがね」
それこそというのだ。
「ないんだ」
「いや、聞けば聞く程そうはなりたくないわね」
「俺もだよ、じゃあお互いにね」
「気をつけないといけないわね」
「どう見ても幸せな人じゃないしね」
「幸せになるには人間性も必要ってことね」
一華はまたたこ焼きを食べた、そうしてまた言った。
「要するに」
「そういうことだよね」
「そうよね、あまりにも酷い人間性だと」
「幸せになれないよ」
「そうなるわね」
「人間の屑とか餓鬼とか言われる位なら」
そこまでだと、というのだ。
「もうね」
「幸せになれないわね」
「だから幸せになるには」
「ある程度人間としてよくならないと駄目ね」
「そうした努力もしないとね」
「まあ最底辺の高校でイキってるだけの奴とかね」
こうした輩もと言うのだった。
「幸せになんてね」
「何か技能を身に着けてもね」
「何処かで更正しないと」
さもないと、というのだ。
「ドキュンで終わりね」
「世の中のダニだね」
「アウトローの世界でも鉄砲玉になって終わり」
「使い捨てのね」
「そうなるのがヲチね」
「どうしようもない人をどうしようかって思ったら」
それこそとだ、達川は話した。
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