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X ーthe another storyー

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第四話 神犬その六

 二人の前、ビルの上に遊人がいて言ってきた。
「またお会いしましたね、それに」
「ああ、ニューフェイスやで」
 空汰は嵐を見つつ答えた。
「宜しくな」
「こちらこそ、それで今回もですか」
「ああ、神威に用があってな」
 空汰は遊人に嵐と共にマンションの屋上に来てから話した。
「それでや」
「ここまで来られましたね」
「そや、それで遊人さんもやな」
「はい、神威君に用がありまして」
 にこりと笑って話した。
「そしてです」
「そのうえでやな」
「ここまで来ました」
「そやな、ほな前は中断したし」
「あの時の続きをしますか」
「そうしよか」
「お二人おられますし」 
 遊人は嵐も見て言った。
「何でしたら」
「いえ、それはしないわ」
 嵐は遊人の言葉に即座にこう返した。
「私は今は」
「そうですか」
「一対一というのがね」
 それで闘うことがというのだ。
「この場合は筋でしょう」
「中断したものの再開だからですか」
「ええ、そしてそれが終わるまでは」
 嵐はさらに言った。
「神威のところにも行かないわ」
「それも卑怯だからですか」
「ええ、闘いが終わってから」
 空汰と遊人のというのだ。
「それからよ」
「行かれますか」
「そうするわ、ではね」
「そちらで、ですね」
「待っているわ」
「ほなやろか」
 空汰はあらためて言った。
「これからな」
「そうしましょうか」
「お互い全力でな」
「闘いましょう」
 こうしてだった。
 二人で闘いを再開しようとした、だが。
 封真が来た。自転車に乗ってそのうえで二人は結界を出していたがそこに入って来た。それを見てだった。
 三人共だ、驚きの顔で言った。
「何やあの兄ちゃん」
「またですか」
「結界に気付かなくて入られるなんて」
「何モンや」
「龍、まさか」
「まさかと思うけれど」
 三人共思わず身構えた、だが。
 封真は気付かないまま通っていった、それでだった。
 三人共拍子抜けした、そして空汰がこんなことを言った。
「あの兄ちゃん確か」
「お知り合いかしら」
「まあな、神威の友達らしくてな」
 こう嵐に話した。
「前に会って話もや」
「したのね」
「確か封真さんやったな」
 名前も話した。
「桃生さんやったか名字は」
「そうなのね」
「ああ、悪い印象は受けんな」
「そうですね」
 遊人もそれはと応えた。 
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