X ーthe another storyー
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第四話 神犬その三
「ずっとです」
「このままか」
「はい、きっとそうなりますよ」
「そうだといいんだがな、まあ兎に角な」
「兎に角?」
「また機会があったら会おうな」
草薙はここでも優しい声で述べた。
「その時はまたな」
「宜しくお願いします」
「ああ、こっちこそな」
草薙は護刃に手を振って別れを告げた、護刃も手を振った。そうして別れたその後で再びであった。
道を聞いて国会議事堂に向かった、丁はその彼女を察して言った。
「いよいよ三人目の天の龍がです」
「こちらに来ますか」
「はい」
玳透に答えた。
「そうです」
「では迎える用意を」
「お願いします、そして空汰さん嵐さん」
傍にいる二人に声をかけた。
「再びです」
「神威のところにですね」
「行ってくれますか」
嵐に答えた。
「そうしてくれますか」
「わかりました、では私が」
「いえ、今度は二人でお願いします」
こう返したのだった。
「そうして欲しいのですが」
「二人ですか」
「はい、地の龍も何人かで」
「来るかも知れないですか」
「ですから」
その危険があるからだというのだ。
「ここはです」
「二人で、ですか」
「行ってくれますか」
こう言うのだった。
「この度は」
「わかりました」
嵐は丁の言葉に素直に応えた。
「私はそれで」
「わいもですわ」
空汰は笑顔で応えた。
「ほな二人で」
「お願いします」
「今から行ってきますわ」
こうしてだった。
二人で神威を迎えに行った、二人は空汰が言う神威の通学路に向かった。ビルからビルへ跳んで進むが。
その途中でだ、空汰は嵐を見て言った。
「姉ちゃん別嬪さんやな」
「そうかしら」
嵐は前を向いたまま無表情で応えた。
「私は別に」
「あんた伊勢の巫女さんやったな」
空汰は嵐にこうも言った。
「確か」
「それがどうかしたのかしら」
「それも隠し巫女やな」
「知ってるのね」
「ああ、伊勢神宮の秘伝中の秘伝を授かってる」
嵐をにやりと笑って見つつこのことを話した。
「まさにな」
「伊勢神宮の柱ね」
「そうした人やろ」
「そこまで知っているのね」
「一応な、わいも高野山におってな」
空汰は自分のことも話した。
「色々教わって来たさかいな」
「星見の僧正様かしら」
「何や、じっちゃんのこと知ってんのかいな」
「お会いしたことはないけれど」
それでもとだ、嵐は答えた。
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