神々の塔
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第一話 衝撃の後でその三
「激しい戦いになってもな」
「あそこまでやられるとはやな」
「思わんかった、あれだけの星のモンがおったら」
「負ける筈がなかったわ」
「そやった、しかしや」
「それがな」
「負けた、確かに得るもんはあってな」
中里はさらに話した。
「勝ち負けで言うとな」
「引き分けと言えるし得たもん考えるとな」
「勝ちとも言える、しかしな」
苦い、これ以上はないまでにそうなっている顔で話すのだった。そこに彼が先の戦についてどう思っているかが出ていた。
「敵の戦力を殲滅してや」
「サマルカンドを陥落させてな」
「敵に対して決定的な勝利を収め」
そうしてというのだ。
「そこで降すか」
「降らんでも以後の戦で確かな優位を保つ」
「それが出来んかった」
「それではや」
「僕等の負けやな」
「そや、事実兵を退けてな」
芥川は中里に彼もまた苦い顔で話した。
「戦力の回復に専念してるな」
「今はな」
「戦費も使ったし」
「暫く大きな戦は出来ん」
「無論枢軸もその戦力はかなり消耗してな」
「むしろ損害はこっちより上でな」
「あっちも暫くはな」
当面の間はというのだ。
「戦はや」
「出来んな」
「そうなった、しかしな」
「うちの負けやな」
「そう言ってええわ、また戦ってもな」
例えそうしてもというのだ。
「同じ様にや」
「負けるな」
「そうなるわ、そやからな」
「今はやな」
「戦力の回復とさらなる増強に務め」
軍をそうしてというのだ。
「星のモンをや」
「修行させてな」
「レベルを上げさせて」
即ち力を高めさせてというのだ。
「ステータスと特技を上昇させて」
「能力を高めてな」
「そのうえでな」
さらにというのだ。
「それぞれ神託に従って試練に行かせて」
「あらたな神具を備えさせてる」
「そして星のモン全体の底上げをしてる」
「そやな」
「迂闊やったね」
棟梁である紫綾乃がその棟梁の座から言ってきた、一段高い座に正座してそのうえでその場にいる。
「国力高めて星の子をよおさん揃えても」
「星のモンのレベルはな」
それはとだ、芥川は答えた。
「考えてへんかった」
「そやね」
「人は無限に成長出来る」
「それは星の子達もやね」
「まさにな」
「どんどん強くなるわ」
「そのことを失念しててや」
そうしてというのだ。
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