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ハッピークローバー

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第五十五話 本当の勇気その十

「それがよね」
「出るよね」
「そうよね」
 実際にというのだ。
「もうね」
「それがかなり大きいよね」
「そのことは事実だよね」
「だからお二人の評価は逆転したんだ」
「一方はどん底になって」
「もう一方はかなり変わったんだ」
「そうよね、行いって大事ね」
 一華はしみじみとした口調で述べた。
「いや本当にね」
「全くだよね」
 達川もその通りだと答えた。
「やっぱり自分で行いをね」
「正していくことね」
「働かないでふんぞり返って文句ばかりで図々しいと」
 その様な振る舞いだと、というのだ。
「誰もいいと思わないよ」
「何この人よね」
「そう思って」 
 それでというのだ。
「軽蔑されるよ」
「絶対にね」
「例えその人が自分は偉いと思っていても」
 そうであってもというのだ。
「周りはね」
「絶対にそうは思わないわね」
「何が偉いんだってね」
 その様にというのだ。
「その行いを見て思って」
「馬鹿にするわ」
 軽蔑するというのをこう言った。
「絶対に」
「そうだよ、世の中そんな人もいるけれど」
 自分の行いがどれだけ悪くてもというのだ。
「客観視出来なくてね」
「行いをあらためない人がいるわね」
「そんな人は軽蔑されるし立派に生きていたら」
「尊敬されるわ」
「人に自分を尊敬しろなんて言っても」
 他人に対してだ。
「その行いがどうかだからね」
「言っても尊敬されないわね」
「というか真顔で自分を尊敬しろとか」
 その様にというのだ。
「言える人いたらおかしいよ」
「あんたそんなに偉い人ってなるわよね」
「うん、それでそんな人程」
「尊敬されるどころか」
「馬鹿にされるよ」
「軽蔑されるわね」
「自分で言う無神経さと尊大さも含めてね」
 そのうえでというのだ。
「馬鹿にされるよ」
「絶対にそうよね」
「俺もそう思うから」
 達川もというのだ。
「人にそんなこと言わないよ」
「言ったら人間として最悪よね」
 一華もどうかという顔で言った。
「それこそ」
「全くだよね」
「私も言わないわ、というか自分がね」
 一華はさらに言った。
「そう言ったらって思ったら」
「どうかな」
「凄く嫌よ」
 そうだというのだ。
「自分がって思ったら」
「それだけで嫌なんだ」
「ええ」
 まさにというのだ。 
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