ハッピークローバー
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第五十五話 本当の勇気その八
「今じゃ全く信じられないけれどアイドル選手で」
「アイドルね」
「ロッテの佐々木投手みたいな」
そうしたというのだ。
「凄いね」
「スター選手だったの」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「漫画の主人公にもなった」
「スターだったのね」
「それもいい意味でだよ」
達川はこうも話した。
「将来の球界をしょって立つ」
「そうしたスター選手としてなのね」
「主人公だったんだ」
漫画のというのだ。
「若きね」
「アイドル選手で」
「そうだったんだ」
「本当に嘘みたいね」
「高校時代からね」
PL学園の一年生の頃から注目されていた、甲子園では四番として縦横の活躍をしていた程であった。
「そんな人で」
「それがなのね」
「もう見事にね」
「転落して」
「ああなったんだよ」
「本当に転落ね」
一華はビールを飲みつつ心から言った。
「そこまでいくと」
「うん、稼いだお金もね」
これもというのだ。
「何十億もあったのに」
「なくなったってさっき言ったわね」
「それで俺が稼いだ金何処行ったってね」
その様にというのだ。
「言う位でね」
「本当に転落ね」
「評判はドン底で家庭もなくなって」
そうしてというのだ。
「挙句は捕まって」
「壮絶な転落人生ね」
「自業自得にしても」
その点楽はというのだ。
「その人兎に角心から残念そうにね」
「言われたのね」
「スターだったのにってね」
その人が子供の頃はというのだ。
「そうね」
「人間そうはなりたくないわね」
「絶対にね」
「幾ら元スターでも」
「そうもなるんだね」
「球界の未来をしょって立つ人が」
そう言われていたがというのだ。
「番長って言われていい気になって」
「お金なくなって家庭もね」
「なくなって」
「捕まって」
「ああなったのね」
「身体もボロボロになってね」
「いいところないわね」
一華は心から思って言った。
「本当に」
「そうだよね」
「一緒に言われてたピッチャーの人なんか」
「確かな野球理論あってね」
「凄く紳士的で理知的でね」
「あの人は凄いよ」
達川も太鼓判を押した。
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