ドリトル先生とタキタロウ
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第五幕その七
「大型になった」
「そうしたお魚ですか」
「タキタロウは」
「先生はそうお考えですね」
「泳ぎ方もそちらではないでしょうか」
魚群探知機から見たそれもというのです。
「イワナやマスを思わせます」
「それを見てもですか」
「タキタロウはイワナやマスですか」
「そうですか」
「ソウギョではないですね」
この可能性はないというのです。
「おそらく」
「そういえばソウギョが美味しいとは聞かないですね」
「食べた人も日本ではいないのでは?」
「鯉はよくありますね」
「そして鯉は美味しいですね」
「はい、鯉は美味しいですね」
先生も食べたことがあるので笑顔で言えます。
「本当に」
「そうですよね」
「鯉は美味しいですよね」
「淡水魚で一番美味しいかも知れないですね」
「鯉は鯛と共に最も格のあるお魚ですね」
先生は笑顔でお話しました。
「そうされていますね、日本では」
「はい、海のお魚では鯛です」
「何といっても」
「それで江戸城でもよく食べていました」
「将軍様や大奥が」
「そうでしたね、そして淡水魚では」
そちらのお魚ではというのです。
「鯉ですね」
「そうですよね」
「実際に食べても美味しいですしね」
「それだけの格を感じさせるだけ」
「本当に美味しいですよ」
「寄生虫が心配でも」
「そうですね、ですがソウギョについては」
この大きなお魚はというのです。
「淀川や利根川という大きな川にいますし」
「日本の川は流れが急でソウギョには暮らしにくいですね」
「そう言われていますね」
「元々中国のお魚で大河に住んでいますから」
「広い中国の」
「そうですので」
だからだというのです。
「中国のものと比べると狭い日本の湖にいるとは」
「あまり考えられないですね」
「どうも」
「ソウギョについては」
「まして大鳥池は比較的隔離されています」
先生は大鳥池の特徴もお話しました。
「そうですね」
「はい、確かに」
「それが大鳥池です」
「堰止湖ですから」
「海とつながっていることはつながっていますが」
「隔離されています」
「そう言っていいです」
「近くにソウギョがいるという報告もない様ですし」
このことを見てもというのです。
「どうもです」
「ソウギョはないですね」
「あらゆる面から考えても」
「そうなりますね」
「はい、あと鯉のお話が出ましたが」
こちらのお魚のお話もするのでした。
「鯉もです、タキタロウのお話を聞きますと」
「ないですね」
「鯉も」
「そうですね」
「はい、鯉もです」
こちらもというのです。
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