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ハッピークローバー

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第五十四話 夏祭りその六

「ごく普通の木よ」
「高くないのね」
「そうしたものに決まってるわ」
「下駄に踏まれない様にしないとね」
 理虹はこのことを話した。
「私達草履かサンダルだし」
「私も気をつけるから」
 一華もそれはと答えた。
「お母さんとそのお話もしたし」
「本当に気をつけてね」
「サンダルや草履だと足が出てるから」
 それでというのだ。
「普通に踏まれても痛いし」
「ましてや下駄だとね」
「歯があるからね」
「余計に痛いから」
 その為にというのだ。
「本当にね」
「気をつけるわ」
「そうしてね」
 くれぐれもと言うのだった。
「そこはお願いね」
「わかったわ」
 一華もそれはと応えた。
「そのことはね」
「それでね、じゃあ行こうね」
「夏祭りにね」
「それで思う存分食べて飲んで楽しもうね」
 こう話してだった。
 五人で公園に入った、すると。
 作務衣姿の成海がいてだ、五人に手を振ってきた。
「よお、待ってたぜ」
「あっ、成海っち」
 一華は彼を見てすぐに言った。
「成海っちも来てたのね」
「私が呼んだのよ」
 かな恵は笑って話した。
「折角だからね」
「そうだよ、それでなんだよ」
 成海は五人のところに来て笑って話した。
「皆も連れて来たよ」
「皆ってまさか」
「そう、皆最近アルバイトと部活ばかりでね」
 かな恵がまた言ってきた。
「一緒にいなかったでしょ」
「ひろ君と」
「あっ、一華ちゃん今仇名で呼んだね」
 かな恵は早速反応した。
「そう、皆それぞれね」
「今夜はなのね」
「カップルで楽しんでね」
「実はかな恵と話してたんだよ」
 また成海が言ってきた。
「夏休み皆忙しくてさ」
「二人でいなかったら」
「そうだと自然消滅とかするだろ」
「メールやラインのやり取りはしてたけど」
 これは五人全員がそれぞれの相手といつもしていることだ、一華にしても達川といつもそうしていた。
「やっぱり会わないと駄目?」
「そうよ、だからね」
 それでとだ、かな恵は話した。
「今回セッティングしたの」
「そうなのね」
「じゃあね」
 かな恵はまた言った。
「これからね」
「それぞれで」
「楽しもうね」
「それじゃあね」
 一華だけでなく富美子も留奈も理虹も頷いた、そうしてだった。 
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