ハッピークローバー
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第五十三話 夏祭りその十三
「出店すずカステラやたい焼きやクレープも出るでしょ」
「あとわたがしもね」
「りんご飴だってあるわね」
「甘いものも一杯あるね」
「そっちには合わないのよね」
甘いものにはというのだ。
「見事に」
「それ日本酒もだけれどね」
「だからね」
それでというのだ。
「そこがどうもね」
「一華ちゃん駄目なの」
「甘いものにも合うお酒は」
「ワインとかよね」
「あとカクテルだとカルーアミルクとか」
「甘いものよね」
「そうだけれど」
それでもとだ、一華は考える顔のままさらに言った。
「団地の夏祭りに出るのは」
「ビールなのよね」
「飲み放題が嬉しいにしても」
それでもというのだ。
「甘いものに合わないのがね」
「残念よね」
「どうもね」
こう言うのだった。
「これがね」
「それはもう仕方ないわね」
かな恵は笑って話した。
「甘いものを食べる時はね」
「その時はなの」
「ジュースとか甘いお茶をね」
こうしたものをというのだ。
「飲んでね」
「そうしてなのね」
「そしてね」
それでというのだ。
「やっていけばいいのよ」
「そうなのね」
「私もそうするし」
かな恵もというのだ。
「流石にたい焼きとビールは合わないわ」
「どう考えてもね」
「だからね」
「そうした時はなのね」
「甘いジュースやお茶をね」
そうしたものを飲んでというのだ。
「それでよ」
「甘いもの食べるのね」
「そうしたらいいのよ、じゃあね」
「夏祭りは浴衣で出て」
「それで楽しもうね」
「それじゃあね」
一華はかな恵の言葉に頷いて応えて言った。
「私も着て来るわ」
「そうするわね」
「ええ、じゃあね」
「夏祭りもね」
「皆で楽しもうね」
笑顔で話した、そうしてだった。
五人で夏祭りのことも話して約束し合った、この夏の楽しみも満喫していくことになったことも彼女達の青春の一ページだった。
第五十三話 完
2022・9・8
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