ハッピークローバー
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第五十三話 夏祭りその七
「浴衣をね」
「着ていくのね」
「そうするわ」
「一華って浴衣似合うのよね」
留奈は笑って話した。
「これが」
「そうなの?」
「小柄でそれでいて結構スタイルよくて」
それでというのだ。
「結構なで肩な感じだから」
「そうかしら」
「ええ、そうした体型だから尚更ね」
「私浴衣似合うのね」
「浴衣ってなで肩だと」
それならというのだ。
「似合うのよね」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「あんた浴衣着たらいいわ」
「じゃあ尚更そうするわね」
「そうしてね」
「旅館の浴衣もいいかもね」
理虹はこちらの話もした。
「今度ホテルで合宿するけれど」
「どの部活もね」
「その時皆浴衣になるらしいわ」
「男の子も女の子も」
「夜はね」
部活の練習が終わり風呂に入ってというのだ。
「それで飲んで食べてらしいわよ」
「飲んで食べては聞いてるけれど」
一華にしてもだ。
「着るのは浴衣なの」
「そうみたいよ、それでその時もね」
「私達浴衣着るのね」
「今度は旅館のね」
「あれね、旅館の浴衣ってね」
一華はこちらの浴衣については曇った顔で話した。
「すぐめくれるわよね」
「寝てる時も崩れたらね」
「ちょっと足崩しても」
「そうなるわよ」
理虹もそうだと答えた。
「胸だってね」
「すぐにはだけるわよね」
「生地薄いし結構危ない服よね」
「あれ着て寝相悪かったら」
一華はかなり心配そうに言った。
「もうそれこそ」
「下着丸見えね」
かな恵は笑って話した。
「そうでなくても宴会でね」
「ちょっと動いたら」
「ちらりどころかね」
「丸出しね」
「胸元、太腿にね」
「下着だって」
「男の子に出血サービスよ」
「そうした出血はいいから」
即座にだ、一華は言葉を返した。
「私達に見返りないじゃない」
「そうよね」
「だから旅館の浴衣はね」
「着たくない?」
「この場合も下に半ズボンね」
あらためてこう言った。
「上はシャツ着て」
「ガードするのね」
「胸元も見えないし。あと膝までの半ズボンだと」
「太腿もガードするわね」
「そうなるから」
一華は必死だった、そうした浴衣でも見られない様にする為に今はそうして考えて言っていた。顔にもそれが出ていた。
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