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レーヴァティン

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第二百七十九話 蘇る世界その二

「そうするな」
「そうしろ」
 英雄は是非にと述べた。
「いいな」
「ああ、ここまできたしな」
「やるべきことは全てやった」
「それならな」
「もうだ」
 それこそというのだ。
「俺達はだ」
「ここからだな」
「見守ることだ」
 そうすべきだとだ、英雄はまた久志に話した。
「ここでな」
「そうだよな」
 久志も笑って応えた。
「それじゃあな」
「じっくりと見るぞ」
「今からな」
「待ってな」
 こう話してだった。
 英雄も久志も他の者達も空船の甲板から状況を見守った、暫くは何の動きもなかったがそれがだった。
 徐々にだ、世界の果てまで続く大海原から。
 陸地が出て来た、全てが石になっていたが山に森それに浮島まで出て来てだった。
 浮島達は宙に浮かび山も森も完全に姿を現し。
 そこには川や湖があり街や村もあった。そして。
「千里眼を使うとな」
「見えるな」
「ああ、世界にな」
 石に変わっているそこにだった。
「人も他の生きもの達もいるな」
「そうだな、石に変わっているが」
 それでもとだ、英雄は久志に話した。
「それでもだ」
「いるな」
「そうだな」
「それじゃあな」
「ああ、世界は出た」
「ならな」
「石になっているものがだ」
 その世界がというのだ。
「これからだ」
「元に戻るな」
「そうなる」
 英雄は断言した。
「世界は出た」
「それならな」
「後は戻る」
「そうなるな、しかしな」
 ここで久志はこんなことを言った。
「不思議だな」
「何がだ」
「いや、俺達のいる二つの浮島はな」
 東西のそちらはというのだ。
「人間しかいないな」
「それはもう知っていたな」
「ああ、この世界じゃな」
「欧州と俺達がいた二つの浮島はだ」
「人間が多くてな」
「特に俺達が治める二つの浮島はな」
 そちらはというのだ。
「この世界でも特異だが」
「人は人間しかいないな」
「それぞれの浮島の航路以外の場所は気流が激しくな」
 そうなっていてというのだ。
「空船も空を飛べる者も近寄れない」
「そうした状況でな」
「どちらの浮島もいる者達は最初から人間だけでな」
「独自の発展を遂げたな」
「そうなったからな」 
 だからだというのだ。
「また別だ」
「そうなんだな」
「ごく稀に外の世界から他の種族も来たが」
 それでもというのだ。 
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