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ハッピークローバー

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第五十一話 暴力の代償その七

「いたのよ」
「身体中になの」
「そうよ」
「背中だけじゃなくて」
「そんな人もいたのよ、入れ墨を入れることが」 
 まさにそのことがというのだ。
「ヤクザ屋さんのステータスでね」
「それでヤクザ屋さんも多くて」
「お風呂屋さんに行くとそうした状況だったのよ」
「成程ね」
「それでヤクザ屋さんの奥さんもね」
 その伴侶もというのだ。
「よくね」
「入れ墨入れてたの」
「お母さんもお風呂屋さんで見たから」
「そうだったの」
「昔はね、今も入れ墨入れてる人いるけれど」
「今は手とかに入れてるわね」
 留奈は答えた。
「それもヤクザ屋さんみたいな感じじゃなくて」
「アメリカの不良みたいな感じね」
「ラッパーの人とかの」
「そうよね」
「そこは変わったわね」
「けれど入れ墨入れてる人ってあれでしょ」
 真剣な顔でだ、母は留奈に言ってきた。
「柄の悪い人多いでしょ」
「うちの学校入れ墨は駄目よ」
「いいって学校ないでしょ」
「そうよね」
「まともな学校ならね」
 それこそというのだ。
「入れ墨はね」
「絶対に駄目よね」
「論外よ」
 入れ墨はというのだ。
「本当にね」
「普通の人も入れたらどうかで」
「学生さんなら特によ」
「そうよね」
「身体にも悪いのよ」
 入れ墨はというのだ。
「肌の機能殺すから」
「汗もかかなくなって」
「だからさっきお話した元プロ野球選手の」
「あの人も入れてたわね」
「お母さんあの人が入れ墨入れてるの見て顔を顰めさせたわ」
 思わずそうしてしまったというのだ。
「何考えてるのってなったわ」
「そうだったの」
「もうこれは駄目だってね」
「入れ墨入れたの見て思ったの」
「その時点でね」
 まさにというのだ。
「そうなったわ」
「そうだったのね」
「そして実際によ」
「ああなったのね」
「入れ墨は境界だとも思うわ」
 娘に真剣な顔で話した。
「まともな人かそうでない人か」
「入れるとまともでないのね」
「ラッパーやスポーツ選手なら許されても」
 それでもというのだ。
「普通の人はね」
「どういった人を見極める要素なのね」
「身体の何処でも入れ墨を入れていたら」
 そうした人ならというのだ。
「かなりね」
「要注意ね」
「事実あの人はね」 
 その元プロ野球選手はというのだ。
「そこからもどんどんね」
「転落していったのね」
「テレビで言ってることもおかしくて」
「ヤクザ屋さんみたいな」
「それで得意になっていてね」
 このことは巨人時代からだった、ある番組で何処かの組の準構成員かとまで冗談で言われて得意げに笑っていたこともあった。 
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