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第五十一話 暴力の代償その一
第五十一話 暴力の代償
留奈はこの時ネットで家庭内暴力の話を読んだ、それで母に夕食の時にこの話をすると母にこう言われた。
「そんなことする人とは一緒になったら駄目よ」
「DV男とは」
「そうよ、不幸になるのは自分よ」
「暴力を受けて」
「学校の先生にもいるのよ」
「ああ、暴力教師も多いわよね」
留奈は太刀魚の塩焼きを食べつつ応えた、おかずは他には味噌汁に菊菜の豆腐あえといったものだ。味噌汁の具は椎茸とシメジである。
「世の中は」
「そんな先生にも近寄らないことよ」
「やっぱり暴力受けるから」
「そんな先生が顧問の部活もよ」
「入らないことね」
「若し入ってもそれがわかったら」
暴力を振るうことがというのだ。
「すぐに辞めなさい」
「どんなやりたいことでも?」
「そうよ、怪我したらどうするのよ」
その暴力を受けてというのだ。
「そうした人って手加減しないでね」
「殴って蹴って来るのね」
「だから死ぬ人もいるのよ」
「家庭内暴力で」
「奥さんや子供がね」
「だから逃げることね」
「逃げちゃ駄目とか言う人いるけれど」
母は味噌汁のお碗を手にしつつ話した、一口飲んでまた置いた。
「逃げないとね」
「下手したら死ぬのね」
「暴力教師が顧問やってる部活もよ」
「下手したら死ぬのね」
「そんな話もあるから」
「死ぬよりはなのね」
「逃げた方がいいわよ」
こう娘に言うのだった。
「逃げるが勝ちなのよ」
「そうした時は」
「そう、間違って一緒になってもね」
「逃げることね」
「警察にも言うことよ」
母はこの方法も話した。
「もっとも警察署によっては動いてくれないけれど」
「何か民事がどうとか言ってよね」
「それでね」
「動いてくれないのね」
「そんな警察署もあるけれど」
それでもというのだ。
「暴力は犯罪だから」
「警察に言うことね」
「そうもすることよ、それで一番いいのは」
「最初から一緒にならないことね」
「暴力振るう人とはね」
「お父さんそんな人じゃないからいいわね」
「若しそうだったら離婚していたわよ」
留奈に強い声で答えた、留奈の父はまだ仕事から帰っていない。そして兄はアルバイトに出ていて今は家にいない。
「とっくにね」
「ああ、やっぱり」
「暴力は自分より弱い相手だからよ」
「抵抗しなから振るって来るのね」
「桑田さんが言ってたけれど卑怯なのよ」
「桑田?」
「桑田真澄さんよ」
巨人のエースだったこの人物だというのだ。
「あの人もそう言ってたのよ」
「ああ、その桑田さんね」
留奈も言われて誰がわかって納得した。
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