八条学園騒動記
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第六百八十一話 料理チャンネルその六
「そうしたらこれがね」
「センスあるんだ」
「芸術的なね」
「そうなんだ」
「あっ、いいね」
シッドは実際に自分のスマートフォンで検索して観てから述べた。
「確かに」
「そうでしょ」
「前衛的っていうのかな」
「センスあるわよね」
「いいね」
シッドは思わず唸った。
「これは」
「今でも通用する位でしょ」
「ロシアって芸術有名だけれどね」
「芸術『も』ね」
メアリーはこのことは死んだ目で述べた。
「あの国は」
「あらゆることで目立つ国だから」
「はっきり言ってアメリカや中国並にでしょ」
「あそこはそんなに自己主張しないけれど」
アメリカや中国程はだ。
「市民の人達は穏やかだから」
「素朴で無欲で親切でね」
「慎ましいから」
「お酒が好きなだけのね」
「そんな人達だから」
ただしマフィアの悪質さはこの時代も同じである。
「自己主張はあまりなんだよね」
「そうでしょ」
「けれど個性がね」
「やっぱり凄いから」
「目立ってるね」
「あの国もね」
「芸術『も』だね」
シッドも納得して述べた。
「確かに」
「スポーツも他の文化もね」
「産業も」
「それで他のこともね」
「そうだね、カナダも芸術は悪くないのに」
「そうよ、そちらだってね」
メアリーも言った。
「それなり以上によ」
「いい国なのに」
「目立たないのよね」
「そうだよね」
「一番がっかりしたのは」
それは何かというと。
「赤毛のアンがアメリカ文学だってね」
「それやたら間違えれるんだよね」
トムもそれはと答えた。
「トムソーヤーや白鯨や若草物語をカナダ文学なんてね」
「誰が言うのよ」
「そうなのにね」
「けれど赤毛のアンはよ」
この時代でもカナダ文学の最高峰の一つと言われるがだ。
「間違えられるのよ」
「アメリカ文学だって」
「じゃあアメリカの何処って聞いたら」
それはというのだ。
「カンサスとか言うのよね」
「それオズシリーズだから」
「オズの魔法使いね」
「そっちであって」
「赤毛のアンじゃないから」
断じてというのだ。
「それは」
「本当に間違えられるね」
「文学までそうだから」
カナダはというのだ。
「困るのよ」
「あれだね」
トムはここでこう言った。
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