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ハッピークローバー

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第五十話 親戚の子達の世話からその十一

「あの人のそうしたところは身体を動かしたらね」
「治るって」
「半分以上ね」
「そう言ってたのね」
「太宰は運動するタイプかっていうと」
「絶対違うわね」
 富美子はややジト目になって断言した。
「スポーツマンの太宰とかね」
「想像出来ないでしょ」
「いつも深刻に考えてるイメージあるわ」
「実際は明るかった時も多かったらしいけれど」
 その為躁鬱症を言われている。
「基本そんな風よね」
「イメージとしてね」
「そこで運動したら」
「ああした風なのも治ったって言うのね」
「それを見てもよ」
「身体を動かすことって鬱にもいいのね」
「そうみたいよ、だから悩んだりした時は」
 その時はというのだ。
「いいわね」
「身体動かすことね」
「そうよ、そうしたらいいのよ」
「成程ね」
「そしてエロガキを暴走させない為にも」
「いいのね」
「そういうことよ、じゃあ二人がもういいって言ったら」
 美奈代は二人を見ながら妹に微笑んで話した。
「お家に帰ってね」
「お昼作って食べるのね」
「お素麺ね、いいわね」
「わかったわ」
 富美子も笑顔で頷いた、そうしてだった。
 二人は暫くして遂にもういいと言った、それで二人を自分達の家に連れて帰ってそうしてであった。
 二人に素麺を作って自分達と一緒に食べさせた、二人はその素麺を勢いよく食べた、そして食べ終えるとだった。
 すぐに眠くなりマットを敷くとそれぞれいびきをかいて寝だした、富美子はそんな二人を見て美奈代に言った。
「作戦大成功ね」
「プール行った時はしまったって思ったけれどね」
「水着の若奥さんだらけで」
「エロ全開と思ったけれど」
「二人共泳ぐの好きでよかったわね」
「身体動かすことがね」
「二人をこれから大人しくさせる方法もわかったし」
 富美子はこのこともよかったと述べた。
「本当にね」
「よかったわね」
「ええ。それじゃあね」 
 富美子はさらに言った。
「私達も食器洗ったら」
「寝ましょう」
「そうしましょう、何か眠くなったし」
「私達もね」
「夏はやっぱりお昼寝いいわよね」
「暑い時はね、寝られるだけ寝たら」
 美奈代はこうも言った。
「その分ね」
「身体にもいいわね」
「寝るのは食べるのと一緒でね」
「身体にいいのよね」
「そうよ、寝不足だとお肌が荒れるし」
 美容の敵でというのだ。
「長生きも出来ないわよ」
「それも言われてるわね」
「石ノ森章太郎先生は偉大だったけれど」 
 昭和を代表する漫画家の一人である、トキワ荘グループの一人として手塚治虫に続き藤子不二雄や赤塚不二夫と共に戦後の漫画界を創り上げた巨匠である。
「三日連続徹夜とか普通だったから」
「若くしてだったのね」
「そうだったのよ」
「三日連続の徹夜が普通ね」
「若い頃は平気だったとか言っておられてね」
「普通じゃないから」
「そうした人を見るとね」
 石ノ森章太郎に限らず手塚治虫もそうである、この頃の売れっ子漫画家は途方もない量の連載を持ち描き続けていたのだ。それこそ寝ずに。 
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