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X ーthe another storyー

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第二話 来訪その十三

 空汰は遊人にだ、こう言った。
「ほな兄さん」
「遊人でいいですよ」
「ほな遊人さん」
「はい、何でしょうか」
「またな、そしてな」
「次はですね」
「決着つけよな」
 こう言うのだった。
「次に会ったら」
「そうしましょう、お互い手加減なしで」 
「そうしよな、遊人さん強いな」
「そう言う空汰君こそ」
「やっぱりわい遊人さん嫌いやないわ」
「僕もですよ」
「お互いこうした立場で合ってな」
 それでというのだった。
「残念やな」
「全くですね、ですがこれもです」
「運命やな」
「そうですから」
 だからだというのだ。
「それを受け入れて」
「戦うか」
「そうしましょう、では」
「またな」
「お会いしましょう」 
 遊人はこの時も微笑んでいた、そうしてだった。
 跳んでその場を後にした、そしてだった。
 空汰は封真の動きを見た、すると。 
 神威力の部屋に向かっていた、それを見届けてだった。
 結界を解いて自分もそこに向かってだった。
 封真のところに来て尋ねた。
「あんた何者や」
「俺か?桃生封真だ」
 封真は尾高やな声で名乗った。
「今から幼馴染みの部屋に行くんだ」
「その幼馴染みってのは司狼神威っていうか?」
「知っているのか」
「ああ、これから知り合いになるからな」
「これから?」
「あっ、こっちの話や」
 今の言葉は笑って打ち消した。
「まあ仲間って言うたらな」
「そうなるんだな」
「そや、有洙川空汰っていうんや」
「有洙川さんか」
「空汰でええで」
 ここは気さくに話した。
「名前でな」
「そうなのか」
「そや、それでな」
「これからだな」
「ああ、あんた神威のとこに行くか」
「そして話をするつもりだ」
「ほな一緒におってええか?」
 こう封真に申し出た。
「今は」
「神威の知り合いか」
「そうなるわ」
「初対面だが」
 封真は空汰をいぶかしげな目で見つつ述べた。
「悪い人じゃなさそうだな」
「胡散臭そうに見えるか?」
「いや」
 空汰に顔を横に振って答えた。
「そうは見えないしすぐに名乗ってくれたしな」
「それでかいな」
「ここで名乗る様な人はな」
 それこそというのだ。 
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