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レーヴァティン

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第二百七十七話 神殿に入りその九

「戦う人間としてな」
「冒険もしてね」
「罠も知ってくさかいな」
「だからだよ」
 それ故にというのだ。
「この神殿の罠でもな」
「慎重に進んで見付けて解除して」
「それが出来てるな」
「そうだよ、だからな」
 それでというのだ。
「精鋭を連れて来たんだよ」
「大人数で攻めてもな」
 芳直も言ってきた。
「こうした場所では犠牲を出すだけだ」
「そうだ、まさに精鋭を選りすぐってだ」
 幸正も言ってきた。
「そうしてだ」
「そのうえでだな」
「進むべきだ」
「慎重にな」
「そうだよ、精鋭で突入してよかったよ」 
 実際にとだ、久志は芳直と幸正に述べた。
「ここはな」
「大軍で攻めていい場合とそうでない場合がある」
 芳直は確かな子で言い切った。
「複雑なダンジョンなぞだ」
「まして内部のマッピングもわかってないとな」
「迂闊に入ってもだ」
「犠牲者を出すだけだよ」
「その通りだ、だからな」
「こうしてな」
「精鋭でだ」
「徐々に進むべきだな」
「クトゥルフの居場所は大体察するしな」
 幸正は鋭い声で述べた。
「おおよそでもな」
「そうだな、感じる」
 英雄が応えた。
「禍々しい気を」
「神殿の外にいた時よりもだ」
「今は強く感じる」
「そしてその源はだ」
 クトゥルフの禍々しいそれが出ている場所はというのだ。
「下からだ」
「感じるな」
「神殿の地下が何処まであるか知らないが」
「進んでいくことだ」
「そうだ、そしてだ」
「クトゥルフの前にな」
「辿り着くことだ」
「ではここを制圧する者達を置いてだ」
 芳直も言ってきた。
「先に進むか」
「下にな」
 英雄は芳直にも応えた。
「そうしていく」
「そうだな、ではな」
「階段も見付けた」 
 下に向かうそれもというのだ。
「それならな」
「行くか」
「今からな」
 こう話してだった。
 戦士達はさらに進んでいった、そして。
 階段を下りてその階にいる深き者共も倒し罠も解除してだった。  
 先に先に進んでいった、そうしていき十層は進み。
 巨大な何かしらの金属の扉、それを前にしてだった。英雄はここまで来た選りすぐりの将兵達に告げた。
「ここまでご苦労だった」
「では」
「この門の先にですか」
「クトゥルフがいますか」
「間違いない」 
 将兵達に答えた。 
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