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ハッピークローバー

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第四十八話 暑くてもしっかりとその二

「お風呂上りは暑いから」
「どうしても下着でいるわね」
「そうしたくなるから」
「あえてなのね」
「しないことよ」
 こう言うのだった。
「いいわね」
「それじゃあね」
「まあ今の服装もね」
 ティーシャツと半ズボンのそれを見てだ、母は言った。
「結構刺激的だけれどね」
「露出が多いから」
「そうよ」
 その通りだというのだ。
「実際にね」
「生足剥き出しだし」
「手も首筋もね」
 そうしたところもというのだ。
「あちこち出てるしブラのラインまでよ」
「あっ、出てるわね」
 一華も自分で確認して言った。
「実際に」
「そうでしょ、ショーツだってよ」 
 こちらもというのだ。
「ズボンが木綿で生地が薄いから」
「ちょっとしたらラインが出るの」
「そうなるからね」
「露出多いのね」
「けれどね」 
 母はそれでもとさらに話した。
「下着姿そのままでいるよりはね」
「ずっといいのね」
「遥かにね」
 こう言うのだった。
「いいわよ」
「だからなのね」
「ちゃんとね」
 風呂上がりはというのだ。
「服を着なさい」
「下着姿でいるよりも」
「そうしなさいね」
「自分の為ね」
「ええ、服を着ることは」
 このことはというと。
「お洒落に防寒に汗を吸って」
「色々目的があるわね」
「それに自分の身を守ることよ」
「そうでもあるのね」
「お肌を見せないことも」
 即ち露出を減らすこともというのだ。
「自分の身を守ることだからね」
「それでなのね」
「ちゃんと着なさいね」
「これからはなのね」
「そうよ、しかしね」
 母は今の一華を上から下まで一瞥してから言った。
「あんたも成長したわね」
「そう?」
「ええ、大人の身体になったわね」
 この言葉を微笑んで話した。
「いいことよ」
「そうなのね」
「身体がそうなったら」
 母はさらに言った。
「心もね」
「そうなることね」
「ほら、高倉さんっていたでしょ」
「高倉?団地のすぐ入口の?」
「そう、あの一軒家の高倉さんよ」
「お父さんが公務員の」
「あそこの三男いるでしょ」
「私と同級生のね、あいつのことは聞いてるわ」
 一華は目をむっとさせて口をへの字にさせて応えた、もうすした態度から相手をどう思っているかは明白だった。 
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