博士の挑戦状
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第二話
第二話 しかし誰もが思った
博士のテレビでのいきなりの発言を聞いて誰もがこれまで通りなのではないかと思った、それは視聴者も同じであった。
だがその直後にこうも思ったのだった。
「いや、待てよ」
「ああ、博士の今まで通りってな」
「もう無茶苦茶だからな」
「やりたい放題で」
「危険な兵器は造るし」
「国際法なんて無視するし」
「当然日本の法律も」
博士はそんなものは一切気にしていないのだ。
「それでやっていっていて」
「その辺りにいるドキュンすぐに殺すし」
「ヤクザ屋さんの事務所に普通に大量破壊兵器使うぞ」
「それでこれまで通りって」
「やっぱり酷いな」
「わしは趣味に生きておる」
博士はテレビカメラの前でまた語った。
「大量破壊兵器の製造及び開発と殺人にな」
「だからか」
「これからもそんなことやってくんだな」
「やっぱり博士だな」
「そこは」
「そういうことじゃ」
博士は言い切ると満足した笑顔になった。
「ではわしは研究所に戻る」
「あのですね」
メインキャスターがここで博士に言ってきた。
「もう二度とです」
「来るなというのか」
「はい、いきなり来て驚きました」
「何、ちょっとテレビに出たくなってな」
博士は面長の額が広く目つきの悪いキャスターに笑って返した。
「少し邪魔しただけじゃ」
「邪魔なんてものじゃないよ」
「はっはっは、驚いたか」
「驚きましたよ、本当にですよ」
「二度とか」
「来ないで下さい」
「まあ気が向いたらまたな」
「気が向かないで下さい」
あくまで言うキャスターだった、だが。
博士は楽し気に笑ってだ、また言ったのだった。
「ではのう」
「ではのって」
「さらばじゃ」
最後にこう言って瞬間移動で消えた、それを見た者達は思った。
「今の科学か?」
「魔法じゃないの?」
「いや、超能力なんじゃ」
その答えは出なかった、だがこれからも博士が何かとしでかしていくことはわかった。それだけはわかったのだった。
第二話 完
2022・10・14
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