レーヴァティン
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第二百七十六話 空への出陣その三
「大勢で押して引けばだ」
「それでのう」
「動かせる」
何十トンもある戦車でもというのだ。
「一人では限度があってもな」
「頭使ってものう」
「戦車を動かせずともな」
「大勢集まって力を合わせて」
「知恵を使えばだ」
そうすればというのだ。
「必ずだ」
「動かせるのう」
「それが人間だ、弱くともな」
そうした存在であってもというのだ。
「それが出来る、だから神にもな」
「勝てるぜよ」
「俺達もそうする、ではだ」
「わし等もぜよ」
「空船に乗り込みだ」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「クトゥルフの島に行くぜよ」
「ではな」
「今からのう」
「乗り込む」
こう言って自らだった。
英雄は兵達を率いてそのうえで乗船し仲間達もそれぞれの空船にそうしていった、そして空船達は次々にだった。
空に飛び立ち島に向かった、空を埋め尽くさんばかりの大艦隊がだった。
クトゥルフの島がある場所の上空に向かっていた、英雄はその中で眼下に拡がる雲その間に見える大海原を見下ろし言った。
「何十年、この世界で時をかけてきたが」
「いよいよですね」
「この世界を救う」
「石と化し海の中に沈められた世界を」
「そうしますね」
「その時が来た」
英雄は陣笠に具足で身を包んだ兵達に話した。
「いよいよな」
「左様ですね」
「それではです」
「まずは島があるという場所の上空に行き」
「そこで、ですね」
「俺と久志がだ」
それぞれの浮島を治める者達がというのだ。
「持っている剣の力を解放する」
「上様は天羽々斬で」
「陛下はレーヴァティンですね」
「それぞれのお力を解放され」
「島に向けて放たれるのですね」
「そうする、力はだ」
剣のそれはとだ、英雄は兵達に話した。
「どうしたら解放出来るかもだ」
「ご存知ですね」
「既に」
「神託で聞かれていますね」
「そうですね」
「この世界の神託は然るべき時にならねば聞けない」
英雄はこのことを話した。
「それでだった」
「今まで聞けなかった」
「そうでしたね」
「このことについても」
「クトゥルフのことと同じで」
「そうでしたね」
「そうだった、しかしだ」
それでもというのだ。
「今はな」
「はい、そうですね」
「聞けましたね」
「それで、ですね」
「それによってですね」
「上様も」
「力を解放出来る、剣を持って天高く真上に掲げてだ」
具体的なその方法をここで話した。
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