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進めサンタ軍団

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第一章

                進めサンタ軍団
 サンタクロースは一人だけか、それは。
「そんな筈ないじゃろ」
「そうじゃ、一人で全世界を回れるか」
「一夜で世界中の子供達にプレゼントを配れるか」
「無理に決まっておるわ」
 フィンランドの森の中でサンタ達が話していた、見れば赤いサンタもいれば青いサンタも緑のサンタもいる。
 そのサンタ達がだ、袋を担ぎながら話していた。
「何人もおるわ」
「何人どころではないわ」
「それこそ何万とおるわ」
「それ位はのう」
「世界中を巡って」
 クリスマスの夜にだ。
「世界中の子供達にプレゼントを配るとなると」
「子供達は何億とおるのじゃ」
「その子供達全員にプレゼントを配るとなると」
「一人で出来るか」
「そんな筈がないわ」
「だからわし等は何万とおる」
「流石にフィンランドの人達よりは少ないがな」
 自分達が普段いる国の話もした。
「それでもじゃ」
「それこそ軍隊規模でおるぞ」
「何万とな」
「ではその何万の数でじゃ」
「今年もプレゼントを配るぞ」
「全世界の子供達にな」
 こう話してそうしてだった。
 サンタ達はそれぞれトナカイが牽く橇に乗ってそのうえで空に舞い上がってだった。
 世界中に飛んでいった、その中で日本に向かうサンタの一人の橇を牽いているトナカイ達はこんなことを話した。
「僕達去年はオーストラリアだったね」
「そうそう、あの国に行ったよね」
 橇を牽いて空を飛びながら話した。
「南半球のね」
「あの国だったね」
「あの国は夏だったね」
「南半球だから」
 そこにあるからだというのだ。
「北半球とは季節が違うから」
「今北半球は冬だけれど」
「南半球は夏で」
「オーストラリアは夏だね」
「そうだね」
「ほっほっほ、それでじゃったな」
 サンタはトナカイ達の話に笑顔で入った。
「わしもサーフィンしながらな」
「そうそう、プレゼント配ったよね」
「サンタさんも」
「そうしたね」
「南半球に行くならな」 
 クリスマスにというのだ。
「そうなる、北半球が冬でもな」
「何処もそうとは限らないよね」
「南半球は夏だし」
「赤道の方は常夏だし」
「逆に北極圏だといつも寒いね」
「そうじゃ、まあフィンランドは大抵寒いが」
 普段自分達が暮らしている国はというのだ。
「しかしな」
「そうした国もあってね」
「そちらの国の子供達にもプレゼントを配る」
「それが僕達のお仕事だね」
「クリスマスの」
「そうじゃ、では今年はな」
 まさにと言うのだった。
「日本の子供達にプレゼントを配るぞ」
「そうしようね」
「じゃあ日本に行こうね」
「今からね」 
 トナカイ達も応えてだった。
 このサンタは彼等と共に日本に向かった、そして夜の京都の上空に来てだった。 
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