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八条学園騒動記

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第六百八十話 食べてみてその二

「もうね」
「アメリカ料理で」
「連合の料理だね」
「連合は色々なスパゲティ食べるけれど」
 ソースの種類はエウロパより遥かに多い。
「その中によ」
「カルボナーラもあるね」
「そうだね」
「そう、それでね」 
 メアリーはさらに話した。
「何でも昔はソースなかったらしいのよ」
「スパゲティの?」
「そうだったんだ」
「それでフォークも使わなくて」
 こちらもというのだ。
「粉チーズまぶして手で食べる」
「そうだったんだ」
「昔のスパゲティは」
「十九世紀のはじめ頃に出て来て」
 そうしてというのだ。
「その頃はね」
「そんな風だったんだ」
「かつては」
「スパゲティのはじまりは」
「そんなものだったんだね」
「そこからソースが出て来て」
 そうしてというのだ。
「フォークも使う様になったそうよ」
「成程ね」
「スパゲティにも歴史があるね」
「ちなみにヒトラーも好きで」
 この独裁者もというのだ。
「最後も食べたそうよ」
「あの独裁者もなんだ」
「スパゲティ好きだったんだ」
「それも大好物だったみたいで」
 外には甘いものを好んだという。
「結構食べていたみたいよ」
「そういえばヒトラーって菜食主義者だったね」 
 トムは彼のこのことを話した。
「お肉もお魚も食べない」
「お料理にラードも使わないね」
 メアリーも答えた。
「それでお酒も煙草もしない」
「えらく禁欲的だね」
「ちなみに女の人の話もないでしょ」
「聞かないね」
 連合では何かと悪い話に満ちている人物だがだ、少なくともヒトラーのそうした話は連合でもないのだ。
「言われてみたら」
「そうでしょ」
「酒池肉林でもしてそうだけれど」
「それがよ」
「菜食主義者でなんだ」
「お酒も煙草もしなくてね」
 それでというのだ。
「服も質素でね」
「女の人の話もない」
「愛人さんがいた位よ」
 エヴァ=ブラウンのことである。他ならぬ仁氏絵の最後に結婚した相手でヒトラーの傍にずっと寄り添っていたという。 
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