レーヴァティン
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第二百七十五話 邪神の島その五
「今はな」
「かなりか」
「思う様になった」
「パンやビスケットの方がいいか」
「携行しかつ保存を考えるとな」
「まあな、しかし固いパンなんてな」
久志は眉を顰めさせて話した。
「とことんまでいくとな」
「岩の様だな」
「それで食えたもんじゃないぜ」
顔を顰めあせたまま話した。
「とてもな」
「大航海時代の話でもあったな」
「ああ、蛆も湧くしな」
「自然とな」
「塩漬けの肉や魚だってな」
保存の為にかなり塩を使っていた為異常なまでに塩辛くかつ長い時を経て異臭がしてこちらにも蛆が沸いた。
「もうな」
「保存を利かせるとな」
「とことんまでな」
そう言っていいまでにというのだ。
「食えたもんじゃないぜ」
「そうだな」
「今回はそこまでしなくていいけれどな」
「いざとなればだな」
「ああ、とことんな」
それこそというのだ。
「酷いものになるぜ」
「味についてはか」
「パンだってそうだぜ」
「保存はよくともな」
「誰が好き好んで岩みたいで蛆まで湧いてるパン食うんだ」
平時ではというのだ。
「戦の時だってな」
「そうそうはな」
「食えないだろ、こっちの浮島も豊かになってな」
久志達が統一し善政を敷いているからこそであるのは言うまでもない。
「もうそんなパンはな」
「誰も食わないか」
「というか食えないさ」
食わないのではなくというのだ。
「まず過ぎてどんな状態でもな」
「餓えていてもか」
「喉を通らなくてな」
「腹が減っていれば何でも食えるか」
「違うってことだな」
「そういえばこちらの浮島でもだ」
英雄は久志の話を受けて話した。
「今玄米を食わねばと言われてもな」
「ああ、脚気か」
「それになるからとな」
「その玄米がか」
「どうしても喉を通らない民が多い」
「それで白米食うな」
「だからそうした民にはだ」
かといって見捨てることも出来ずというのだ。
「パンを食う様に言っている」
「パン食うと脚気にならないしな」
「そうだ、麦飯でもいいが」
「それも嫌がる民もいるか」
「どうしてもな、他には鳥肝もある」
食べさせるものにはというのだ。
「そうしたものを食わせてだ」
「脚気を防いでるんだな」
「あの病も危ういからな」
「重いと死ぬからな」
「だから気をつけている」
そうしているというのだ。
「幕府もな」
「それはいいことだな」
「そう思うな」
「ああ、しかしな」
「それでもだな」
「生産量見たら米はな」
こちらから考えると、というのだ。
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