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星河の覇皇

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第八十二部第五章 撤退する者達の焦りその三十七

「我が国の南北朝時代もそうでした」
「室町時代初期でしたね」
「日本は朝廷が別れましたね」
「京都の北朝と吉野の南朝に」
「別れましたね」
「あの時都には北朝がいました」 
 足利幕府と共にそこにあったのだ。
「ですが三種の神器はです」
「本物は南朝にあった」
「そうでしたね」
「北朝に渡したものは偽物で」
「本物は南朝にありましたね」
「その為南朝も正統を主張出来ました」
 そして徳川光圀はここから南朝を正統とした、この辺りの南朝正統説はそこに根拠があるものなのだ。
「それと同じで」
「正統性は主観ですね」
「バチカンについてもですね」
「それは同じですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「そこは連合のバチカンということで」
「正統性のある」
「そうしたものと考えればいいですね」
「我々としては」
「そうかと。ただエウロパは交流を断ち我々への情報流出を阻みつつ」
 そして自分達が知られることをだ。
「やはり我々に対してはです」
「敵対心を募らせ」
「兵器もですね」
「我々に向けてきますね」
「そうしてきますので彼等の兵器は」
 それが今サハラで使われているものを彼等が導入してもというのだ。
「対策を立てて対抗し」
「防ぐ」
「それが出来る様にですね」
「常にしていくことですね」
「そうしていきます、例え鉄道や電撃戦の様な」 
 八条は今度はプロイセン軍そして二次大戦のドイツ軍から話した、どちらもそうした文明の利器や戦術で勝利を収めていった。
「斬新で画期的なものを使って用いてきても」
「それでもですね」
「必ず対策はありますね」
「それは」
「それを立てて用意して」
 そうしてというのだ。
「戦いそしてです」
「勝ちますね」
「そうしていきますね」
「必ず、連合の領地には何があろうともです」
 それこそとういう口調での言葉だった。
「入らせませんし市民もです」
「一人もですね」
「傷付けさせない」
「左様ですね」
「はい、完全に守ります」
 連合という国をというのだ。
「それは他の国に対してもですが」
「エウロパが我々の最大の敵である以上」
「何としてもですね」
「そうされますね」
「その考えです、今サハラでの戦争を見て」
 観戦武官を多く送ってそうしてというのだ。
「調べて学んでいることも」
「その為ですね」
「国防の為ですね」
「まさに」
「そうです、このエウロパを守る為に」
 国防、その為にというのだ。 
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