| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

X ーthe another storyー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一話 開幕その二十

「そうしてね」
「何かとな」
「昔みたいに」 
 かつての様にというのだ。
「仲良くしていかないとね」
「そうだな」
 封真は妹のその言葉に応えた。
「絶対にな」
「お兄ちゃんもそう思うよね」
「勿論だ」
 妹に微笑んで答えた。
「俺もな」
「そうよね」
「ああ、戻ってきたらな」
「昔みたいにね」
「三人でな」
「仲良くね」
「何でもやっていこうな」
 兄妹で話した。
「その時が楽しみだな」
「もうすぐね」
「そう言ってくれて何よりだ」
 鏡護は自分の子供達の言葉に微笑んで応えた。
「ではだ」
「ああ、神威が戻ってきたら」
「仲良くするわね」
「そうしてくれ、しかしな」
「しかし?」
「しかしっていうと」
「神威がどうであってもだ」
 こうもだ、二人に話した。
「受け入れてくれ」
「どうであっても?」
「どういうことなのお父さん」
「会えばわかる、人は変わりだ」
 そうしてというのだ。
「時には運命の中にある」
「運命?」
 小鳥は父の今の言葉に怪訝な顔になって応えた。
「どうしたの、それが」
「父さん、運命って何だ」 
 封真は父に問うた。
「一体」
「お前達もわかる」
 鏡護は息子に対して答えた。
「その時が来ればな」
「その時が来れば」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そしてお前達も運命と向き合うだろう」
「またそこで運命か」
「どういうことかしら」
 二人共わからなくなって言った。
「さっきからずっと運命って言ってるけれど」
「何かあるのか?」
「やがてわかる、だが何があってもだ」 
 鏡護はいぶかしむ我が子達に告げた。
「生きろ、そして最後はだ」
「今度は最後か」
「何なのかしら」
「神威と共にいられる様にするんだ」
「俺達がか」
「三人共なの」
「そうだ、何があってもな」
 二人に確かな声で告げた。
「いいな」
「何か話が全然読めないんだけれどな」
「兎に角神威ちゃんと仲良くすればいいのに」
「何があっても」
「最後は」
「どれだけそれが難しく運命にあがらうことであっても」
 それでもというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧