八条学園騒動記
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第六百七十九話 調理に入りその九
「それだけでだね」
「味がよくなるのよ」
「ひいてはそこからカナダ料理の評判もよくなって」
「カナダもね」
自分達の国もというのだ。
「知られる様になるのよ」
「そうなるんだね」
「何しろ悪事もね」
メアリーは卵の黄身をパスタの上に置きつつ話した。
「カナダってね」
「これがないんだよね」
シッドは白身を焼いたものをパスタとは別の皿に置きつつ応えた。
「どうも」
「そうなのよね」
「国としてもしないし」
「個人の犯罪でもね」
「ないよね」
「もう横暴といったら」
メアリーは言った。
「アメリカや中国で」
「あとロシアだね」
「国としてはね」
「その三国だね」
「それで個人の犯罪は」
「カナダでもあるけれど」
「治安はいいからこのことはいいけれど」
それでもというのだ。
「ぱっとした話がなくて」
「目立つ様な」
「それでよ」
まさにその為にというのだ。
「悪名は無名に勝るって言うけれど」
「その悪名もないから」
「だからね」
その為にというのだ。
「国家の横暴や個人の犯罪は駄目でも」
「そこでも目立たない」
「変にバランスもいいし」
国家としてだ。
「そちらでも個性がないから」
「カナダは目立たない」
「そうなるのよ、けれどお料理から」
黄身を置き終えたスパゲティをテーブルのそれぞれの席の前に置いた、そうしてからまた言うのだった。
「そこをね」
「変えていくんだね」
「私達からでもね」
「出来るかな」
「これをネットの動画にあげるのよ」
今回の調理をというのだ。
「またしていってね」
「作ってだね」
「これからはその作る場面を撮影して」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「インターネットに投稿するんだ」
「チャンネルを作ってね」
「ああ、よくやるけれど」
「カナダ人ってことを前面に出して」
その様にしてというのだ。
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