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レーヴァティン

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第二百七十三話 全てを整えその七

「それでもね」
「何者かはな」
「わかってなくてね」
「非常にだ」
「困ってるよ」
「今は出て来ていないにしてもな」
 それでもというのだ。
「脅威であることには変わりない」
「だからクトゥルフとの戦いの後は」
「連中のことも調べるか」
「そうしようね」
「世界を救った後でな」
「そうだね、しかし」
 剛はここで言った。
「巨人が神出鬼没であることにも何かね」
「あるな」
「他にそんな存在いないからね」
「この世界ではな」
「神出鬼没なんてね」
「常に何処からともなく現れてな」
「そして消えるなんて」
 そうした存在はというのだ。
「姿が消えるとかじゃないし」
「姿を消せてもだ」
 例えそれが出来てもとだ、英雄は言った。
「消せないものがある」
「影だね」
「これだけは消せない」
「見えないとしても」
「影は映る」
 これはというのだ。
「あらゆる光を浴びるとな」
「夜だってお月様やお星様があるし」
「それの光でだ」
「やっぱり照らされてね」
「そうなってだ」
「姿が見えるからね」
「そうなるからな」  
 それ故にというのだ。
「完全には隠れられない」
「そうなんだよね」
「ゴーストという種族でもな」
 英雄達も文献でこの世界に実は様々な人としての種族が存在していることも知っている、二つの浮島にいる人は人間だけだがこれは例外的なことであることも。
「身体はなくともな」
「ちゃんと飲んで食べられてね」
「そして新陳代謝もありな」
「光が当たるとね」
「影が生じる」
 この種族もというのだ。
「そう聞いている」
「そうだね、あらゆる生きものにね」
「影が生じる」
「そうなるけれど」
 それでもというのだ。
「巨人もね」
「同じだ」
「実際影あったよ」
 剛はこのことを事実だと話した。
「戦闘中見たらね」
「そうだったな」
「だから姿を消してもね」
「影があった」
「そうだったな」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「姿を消せてもこの世界にあれば」
「あれだけ大きな身体だしな」
「影が見えているから」
「いることはわかる」
「その筈だよ」
「あれじゃないかしら、こことは違う世界からね」
 双葉は考える顔で話した。 
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