同窓会の場所
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第三章
「それならな」
「これがまずいとな」
「やっぱりな」
「問題だけれどな」
「美味いならな」
「もうそれでな」
「いいな、縁は悪く言うとコネだけれどな」
松本はこうも言った。
「こうした場合はな」
「コネでもだよな」
「いいな、じゃあ今日はな」
「ここでな」
この店でというのだ。
「楽しもうな」
「そうするか」
「ああ、是非な」
こう話してだった。
松本も他のかつてのクラスメイト達もこの店で料理や酒を楽しみそのうえで中学時代の懐かしい思い出を語り合った。
その同窓会が終わってからだった。
松本は家に帰って母に言った。
「今度は一人で行きたいな」
「吉朝に?」
「そうしたいよ、同窓会で行って」
そうしてというのだ。
「随分ね」
「気に入ったのね」
「うん、いいお店だよ」
こうも言うのだった。
「本当にね」
「それじゃあ」
「また行くよ、ただね」
「ただ?」
「いや、人の縁って凄いね」
母にこうも言うのだった。
「つくづく思うよ」
「何かあったのね」
「それもまた話すよ、じゃあ今日はね」
かなり飲んだからだとだ、そうした言葉だった。
「同窓会に行く前にお風呂入ったし」
「このまま寝るのね」
「歯を磨いてね」
寝る前のそれをしてというのだ。
「そうしてね」
「寝るのね」
「そうするよ」
母に笑って話してだ。
松本は家に帰っていた父にも帰ったと言ってから歯を磨いて寝た、この日はそれで終わったがこの時からだった。
その店に時々行く様になった、それで楽しんだ。同窓会でその店がいい店だとわかったので。それを聞いた同窓会の幹事が彼以外にも何人もそうしたかつての同級生が出て来て狙い通りと笑顔になったのだった。
同窓会の場所 完
2022・12・21
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